2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780080
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
外山 友紀 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (20329650)
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Keywords | 梅干し / アントシアニン / ロズマリン酸 |
Research Abstract |
梅の塩漬け時に溶出する白梅酢の液性や量は、塩の種類や濃度で大きく変動するため、着色に影響する要因の特定が困難であった。今回、着色時に人工的に白梅酢の液性や量をpH1.5、2.0,2.5と調整し梅干しの着色に及ぼす影響を調べた。これまでに、着色が悪くなる要因として、減塩目的で添加するアルコールや、アクの成分であるロズマリン酸の存在が言われていた。しかし、アルコール添加で漬けた梅干しも常法(20%塩化ナトリウム)で漬けた梅干しも、pHが同じであれば、同程度着色されることがわかった。また、梅酢pHを上げるほど着色が向上した。さらに着色した梅より成分を再抽出して分析したところ、漬け方によって色素やロズマリン酸量に差がなかった。一方、主色素であるマロニルシソニン、シソニンとアク成分であるロズマリン酸を紫蘇より単離し、各種塩溶液中での安定性を調べた。pH2の溶液中では、各種塩水溶液中で安定性に差がなく、30日間の経時測定の間、ほとんど色素の退色が見られなかった。またロズマリン酸を添加しても色調、安定性に影響がなかった。20%エタノール、pH2の各種塩溶液中でも同じ結果が得られた。このことより、アルコール添加やロズマリン酸が着色に及ぼす影響は小さく、梅酢のpHによる影響が大きいことがわかった。これは、梅酢中でのアントシアニンの安定性がpHを上げることによって向上し、梅へ吸着したものと考えられる。
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