2003 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の常識知の発達から見た科学教材配列・学年配当の再構築
Project/Area Number |
14780102
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (50315347)
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Keywords | 常識知の発達 / 科学教材配列 / 学年配当 |
Research Abstract |
本研究では,理科学習の根本的な出発点である学習者の常識知の発達と科学教材配列・学年配当の対応に的を絞り,日本の現状を分析し,学習者の常識知の発達に沿った科学カリキュラムの在り方について提言することを目的としている。特に,近年の認知発達理論より学習者の常識知の発達について明らかにし,そこから科学教材配列・学年配当を評価する新しい枠組みを構築し,その成果を踏まえて我が国の科学教材配列・学年配当の現状について分析すると共に,今後の理科カリキュラムの在り方について具体的で参考となる指針を提供することを目的としている。 本年度は,昨年度の導入研究の成果に基づき,本格研究を行った。そこでは,我が国の小中学校理科カリキュラムにおける科学教材配列・学年配当の分析を中心に行った。 具体的には,我が国の新学習指導要領理科における科学教材配列・学年配当を評価分析し,小学校B区分から具体的なトピックスを抽出し,関連研究で世界的に著名な研究者であるマイケル・間シューズ博士(オーストラリア,ニューサウスウェールズ大学)を招聘し,現場の教師も交えて,日本理科教育学会全国大会にて課題研究(題目:なぜ,どのように,いつ振り子を教えるのか?)を企画・実施し,教材配列・学年配当について具体的かつ実践的な提案がまとめられた。その一部は,海外の学術雑誌及び文部科学省編集雑誌に掲載され,国内外の関連学会や関係諸機関に公表された。 さらに,上記の作業を補完するため,諸外国の科学カリキュラム(フィリピン,米国,オーストラリア)における教材配列・学年配当に関する事例研究を行い,現在,その成果を学術雑誌へ投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sumida, M.: "The reproduction of scientific understanding about pendulum motion in the public"Science & Education. (印刷中).
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[Publications] 隅田 学: "対象に依存して知識を構成していく子どもたち"初等教育資料. 774・11. 68-71 (2003)