2003 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークの経路選択に関するグループ学習支援教材の開発・評価
Project/Area Number |
14780105
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
川島 芳昭 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (70282374)
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Keywords | ネットワーク / グループ学習 / 学習支援システム / ルータ / 経路選択 / 学習指導 / 情報教育 / 教育工学 |
Research Abstract |
本年度は,グループ学習支援におけるコミュニケーションの効果を検証することを目的に,ソフトウェア教材を開発し,実験授業を行った.その結果を,定量的・定性的に検証した。 具体的には,従来のグループ学習の問題点である,コミュニケーションの不成立や学習意欲の減退等を改善することを目的に,ネットワークを用いた同期型のグループ学習支援教材を作成した。この教材の特徴は,無作為に選択された学習者(最大4人)を1つのグループとし,そのグループごとに学習が行えることと,グループ内で速く正答が分かった学習者が,正答できない学習者にヒントを送り,分からない学習者を補助できるようにしたところにある。 この教材の効果を検証するために,本教材を用いた実験群と従来のグループ学習を行った統制群を設定し実験授業を行った。その結果,以下の事が明らかとなった. 1 本教材を用いた実験群の方が,学習効果が高いことが分かった。これは,ヒントの送受信による教え合い(コミュニケーション)が,学習効果を向上させたと考えられる。 2 習熟度の低い学習者に対して,学習効果が顕著であることが分かった。これは,本教材のグループ間競争機能により,「他のグループに負けたくない」等の意識から,全ての学習者がコミュニケーションを活発に行ったためと考えられる。 3 本教材を用いることで,グループ内の教え合いが活発になることが分かった。 4 意識調査の結果から,本教材を用いた授業では,学習意欲が向上することが分かった。 以上のことから,グループ学習においてネットワークを利用して,適切なコミュニケーションの手段を学習者に与えることが,学習の効果の向上に有効であることが分かった.平成16年度は,この結果を基に,ネットワークの経路選択の仕組みをグループ学習により教授する学習指導シテムを開発し,その効果を定量的・定住的に検証する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 川島 芳昭: "ネットワークを用いたグループ学習支援教材の開発と試行"全日本教育工学研究協議会全国大会沖縄大会研究発表論文集. 29. 387-390 (2003)
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[Publications] 川島 芳昭: "ネットワークによるグループ内学習の支援を目的としたドリル型学習ソフトウェアにおける思考時間の評価"日本教育工学会第19回全国大会講演論文集. 19. 125-126 (2003)
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[Publications] 石川 克彦: "CGを用いた構想に関する学習支援の評価"日本産業技術教育学会情報分科会(広島)研究発表会講演論文集. (2004)
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[Publications] 半田 好男: "普通教科「情報」における学習指導上の課題の調査とその改善のための教材について"日本産業技術教育学会第15回関東支部大会講演論文集. 15. 61-62 (2003)
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[Publications] 堀江 尚志: "家庭排水と環境に関する学習支援教材の開発と評価"宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要. 26. 1-10 (2003)
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[Publications] 若色 敏行: "「交通安全教育」を支援するマルチメディア教材の開発と評価 -状況判断の速度の向上を目指して-"宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要. 26. 11-20 (2003)