2002 Fiscal Year Annual Research Report
失語症患者のための言語学習教材の調査とCGアニメーションを用いた学習ツールの開発
Project/Area Number |
14780110
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松本 美保 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 助手 (00336702)
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Keywords | 失語症 / 言語訓練 / コンピュータベースドセラピー |
Research Abstract |
本研究におけるシステムでは、情報提示方法として動画を用いることで、理解・訓練効果の向上をねらったものである。この手法は、理解の向上は図れたものの、訓練時においては、患者(被験者)の説明速度が動画速度についていけず、評価が下がったものと考えられる。しかし、発話でストーリーとは直接関係しない部分を抽出すると、お話全体の流れの理解には適していると考えられる。 発話実験では、定性的にみて、静止画による発話の方が動画に比べて活発である。被験者Hの発話でストーリーとは直接関係しない部分を抽出すると、動画を用いた発話では、「おばあさんは大人だから、家事のときにどうするかは知っている」というように、感想や思い、意見が述べられている場合が確認できた。また、細かい部分の説明よりも、全体の流れを理解して、話す傾向がみられた。よって、発話量は静止画に比べて少なくなった。静止画の発話には、お話の起承転結を区切れる傾向がみられた。また、お話の全体を理解して話すことや、モニターに写っている対象物の関係性を見出すことが困難な場合が認められた。しかしながら、視覚に情報として受けたものを、単語を並べるように発話する傾向がみられた。尚、光ポトグラフィの実験結果に優位差はあまり見られなかった。しかしながら、動画による刺激が静止画によるものよりもDeoxyHbの活性化が認められた。 コンピュータのモニターを介した視覚情報が発話に与える影響を、光トポグラフイ、発話内容およびアンケート調査によって考察することにより、失語症患者の言語訓練に有効な手がかりを与えることができた。又、アメリカ、ミシガン州サギノーバレー州立大学との共同研究を通じて、国際交流に貢献できた。そして、広島県立福祉大学との共同実験を通じ、言語野におけるヘモグロビンの活性を分析する等、進展的な連携をはかることができた。
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Research Products
(1 results)