2002 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカ公民教育における市民性の変遷とカリキュラム論の展開
Project/Area Number |
14780131
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 和也 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (60281945)
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Keywords | アメリカ公民教育 / 市民的資質 / 合意形成 / グローバル教育 / シティズンシップ |
Research Abstract |
若手研究(B)の科研費補助を受けた本年度に実績は、主として諸学会における口頭発表を中心として行なった。(1)9月にはモンゴル国立大学の50周年記念シンポジウムの発表者として招待を受けて「科学と科学教育-我々はどのように市民性を発達させるべきか-」と題して講演を行なった。(2)同月、全国社会科教育学会のシンポジストとして、アメリカの市民教育の分類をもとに小学校教育のあり方について発表を行なった。(3)3月には、社会系教科教育学会において、シンポジストとして発表するとともに、(4)自由研究発表においも「多重化する「公」を基盤とした法教育のあり方-Beyond Boundaries : Law in a Global Ageを手がかりに-」と題して発表を行なった。今期の実績は、国際学会1回、全国学会3回の口頭発表である。 これら一連の発表において、これまで社会科的教育の研究基盤となっていた「社会認識形成の論理の解明」というテーマを見直し、交渉と合意を枠組みとする新たな枠組みを提示したことである。これによって、(1)教養主義的合意、(2)合理主義的合意、(3)実用主義的合意、(4)実践主義的合意の四つの枠組みによって、1980年代以降の価値形成を含む新たな公民教育論を含めた公民教育論の研究の発展が期待できる。これらの枠組みについては、2月下旬、アメリカの半民間教育団体への聞き取り調査において意見を求め、また、3月には従来の「社会認識形成の論理の解明」としての研究を開発してこられた広島大学の森分教授との直接の意見交換の機会を持ち、その有効性と問題点を確認した。 続く1年では、これらの成果を学会論文として公刊するとともに、1980年代以降の公民教育をテーマとする、今後の著書の作成に向けて論理実証のための公民教育プロジェクトの収集に努める予定である。 なお、今期、本研究の中で収集・分析したプロジェクトを利用して「メディア教育」に関する共著を1冊、およびアメリカの公民教育の現状を踏まえた「その他論文」を1本発表した。
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Research Products
(2 results)