2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780148
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
見上 昌睦 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (30279591)
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Keywords | 吃音 / 吃音児 / 言語指導 / 遊戯療法 / 環境調整 / 親指導 / 知的障害 / 不登校 |
Research Abstract |
1.目的:ライフステージを通しての吃音支援法構築の一環として、重度吃音児5例を対象とし、言語指導に焦点を当て、環境調整、遊戯療法も併用して支援を試み、その効果について検討した。 2.方法:(1)対象児:事例A:発吃3歳3ヵ月の5歳1ヵ月の男児。事例B:発吃4歳6ヵ月の7歳0ヵ月の男児。事例C:発吃3歳6ヵ月の8歳10ヵ月の男児。事例D:発吃6歳0ヵ月の10歳3ヵ月の女児。脳性麻痺(軽度)。事例E:発吃7歳0ヵ月の11歳7ヵ月の女児。軽度知的障害(通常の学級に在籍)。10歳8ヵ月頃より不登校。5例共に吃音の意識・回避反応があり、アイオワ式吃音重症度評定尺度による初診時重症度7。(2)言語指導:遊戯的要素をとり入れて実施。事例Eについては家庭訪問により実施。(1)メトロノームを用いたリズム効果法。(2)カメ(ゆっくり)、蛙〔玩具を弾ませながら1モーラ(音節)ずつ発話〕、柔軟性に富むぬいぐるみ(力を抜く)、蝶(軽く)などの動きにたとえて発話。(3)柔らかな起声:軟起声でゆっくり、ひき伸ばし気味に発話。(4)劇遊び:斉唱・復唱等、吃音が抑制されやすい条件を適宜とり入れ、台本音読により実施。指導場面には親も同席、随時指導に参加してもらった。親には家庭でも本言語指導を対象児と一緒に試みてもらった。(3)遊戯療法:言語指導終了後に30分程度実施(事例A〜D)。事例Eに対しては調理やゲームを実施。(4)環境調整:若葉(1999)を参考に親面接を通して実施。 3.経過:支援はおおよそ週1回(事例B・E)、隔週1回(事例C・D)、3週間に1回(事例A)のペースで各1年4ヵ月〜2年程度実施。本支援を通して、事例Bは治癒、他の4例は重症度4〜2の範囲に軽快。事例Eは登校可能となった(中学校入学後、情緒障害特殊学級に在籍)。 4.考察:重度吃音児に対して、言語指導に焦点を当て、環境調整、遊戯療法も併用して支援を行うことの効果が示唆された。
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