2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本語の感情を表す擬声語・擬態語の意味の記述―日本語学習者への教材化にむけて
Project/Area Number |
14780157
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
羽佐田 理恵 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 講師 (90323732)
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Keywords | 音象徴語 / 擬情語の意味論的記 / 日英語対象 / 音象徴語使用と文化的背景の関連の考察 / 実用的使用に向けて |
Research Abstract |
本年度は、まず、日本では本研究にまつわるデータ資料の採集や文献を集めるのにかなり時間を要した。 また、8月には、科研の研究費をいただいて、英国圏にも文献収集、方法論アップデートのために海外へいかせていただいた。というのは、私の研究を記述する言語が英語であり、また日本語の感情を表す擬声語、擬態語の意味記述の研究といっても、多分に日英対照の面からも考察する部分が多いので、英語を主とした他言語の音象徴語の文献を集める必要があったからである。そこで、英語圏で言語学、心理学、文化人類学の文献がかなり豊富であるオーストラリア国立大学へ赴いた。この大学に3週間ほど滞在した理由は、この研究の方法論となるNatural Semantic Metalanguage Methodを発展、向上させるための「New Developments in NSM Semantics : Metalanguage, Scripts, and Explications」という会議(キャンベラ:オーストラリア国立大学)のために日々色々な言語からこの方法論を駆使し、研鑽している言語学者達が世界各地から集まり意見交換などのよい機会の時期になったからである。さらに私は方法論をうちたてたANNA Wierzbicka教授に正式に招聘され、意見交換、指導をえたあと、この会議で発表、討議する義務があったからである。会議では私からは特に、感情語記述に関係してくるMental Predicates(世界中に普遍的に存在するはずの思考、感情を表す言葉)の、意味的、語彙的、統語論的問題を提言し、みなと討議し、自分なりの考えを発表した。 日本にいる間は、データを最新にするべく、かたはしから、あらゆるジャンルの本、シナリオなどを読み、データを採取、他にも日常生活で視野に入ってくる広告、宣伝等などから、データを採取してきた。 出版学術論としては、直接、擬声語、擬態語には結びつかないが、感情の研究に関連し、改新した方法論を使っての作品として、科研をいただいてからインターナショナル欧米雑誌に一章、東京外国語大学留学生日本語教育センター紀要に一遍を執筆した。 本格的なこの研究の執筆は、今続けている新しく採集できた資料とデータを整理、分析をより深くして、これから全体的かつ細部の構想をねりながら、書き下ろしていかねばならない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Rie Hasada: "'Body part' terms and emotion in Japanese"The Body in Description of Emotion : Cross-Linguistic Studies (Special Issue of Pragmatics & Cognition). 10:1・2. 107-208 (2002)
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[Publications] Rie Hasada: ""Cultural Script" on Japanese Attitude towards Emotion"東京外国語大学留学生日本語教育センター論集. 29. 27-67 (2003)