2004 Fiscal Year Annual Research Report
ノンパラメトリック回帰による非線形構造の探索とその実装
Project/Area Number |
14780171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂本 亘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70304029)
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Keywords | ノンパラメトリック回帰 / 平滑化スプライン / 罰則付き最尤推定 / 平滑化パラメータの選定 / 経験Bayes推定法 / 周辺尤度 |
Research Abstract |
本研究の目標は,データの背後にある複雑な非線形構造を探索・抽出するための道具として,ノンパラメトリック回帰,とくに平滑化スプラインの有用性を実証し,その方法を実装したアプリケーションを開発することであった。 本年度に実施した研究内容は以下のとおりである。 1.応答のベキ変換による加法モデルの拡張 加法モデルにおける仮定(加法性,分散均一性,正規性など)の妥当性を評価するために,ベキ加法化平滑化スプラインやベキ重み付き平滑化スプラインなどを提案し,Fortranプログラムによる実装を行った。応答のベキ変換パラメータを分散・平滑化パラメータと同時に最大周辺尤度法(経験Bayes法)によって選定する。ベキ加法化平滑化スプラインでは周辺尤度の正確な計算は困難であるため,その近似方式を提案した。本方式の近似精度,および本方式を用いた場合の加法関数の推定性能を,事例研究やシミュレーションを通じて評価し,推定されるベキ変換が非線形構造を考慮しながら加法性や分散均一性などの要件を達成するという妥当な結果を得ることができた。 2.ABIC(赤池Bayes情報量基準)による最適なモデルの選定 平滑化スプラインの線形混合モデルによる表現を利用することにより,包括的な階層型のモデル族を構築することが可能となる。モデルが非線形(ノンパラメトリック)成分を含むかどうかの診断は,線形混合モデルのランダム効果に関する診断に帰着され,必要となる分散パラメータの個数の選定にはABICを用いることができる。本方式の有用性を事例研究などにより確認した。
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Research Products
(1 results)