2004 Fiscal Year Annual Research Report
実世界ネットワーク最適化問題に対する高性能アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
14780230
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮野 英次 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10284548)
|
Keywords | ノード巡回最適化問題 / 容量制限 / 巡回可能開始時刻 / 巡回不可能終了時刻 / NP困難性 / 近似可能性 |
Research Abstract |
移動系に対する経路選択を考えた場合には,最適な経路を決定するための重要な情報である網構造が時間と共に変化し,動的環境の変化に対応可能なスケーラビティを重視した技術を確立することが必要である.このような要求に応えるため,各ノードが動くことによりノード間の距離,網の形状が時々刻々と変化し,さらには,ノードに巡回時間の制約を考えたネットワーク網上での移動ノード巡回最適化問題として定式化し,アルゴリズムの開発を行った. 1.平面上にn個のノードが与えられ,各ノードは一定の速さであらかじめ定められた曲線上を動き回る.また,巡回可能となる開始時刻と巡回不可能となる終了時刻が決められている.巡回者は,平面上の原点を出発して,正確に1個のノードを訪れて,原点に戻る.この動作を繰り返して,できるだけ多くのノードを巡回するような巡回ノード個数の最適化(最大化)問題として定式化する.この問題の計算複雑さの検討を行い,ノードが一般の曲線上を移動する場合にはNP困難であることを示した.また,移動体が同心円周上を移動するように限定してもNP困難であることを証明し,1.582近似アルゴリズムの存在も示した. 2.同様の条件の下で,n個のすべてのノードが等速直線移動し,さらには,すべてのノードが巡回者の速さよりも速い場合には,O(nα(n)log n)時間の最適な巡回アルゴリズムが設計可能であることを示した.ここでα(n)はアッカーマンの逆関数である.しかし,巡回者よりも遅いノードがある場合には,例えノードが等速直線移動をするような非常に強い制限を考えたとしても,NP困難となってしまうことを証明した。
|
Research Products
(3 results)