2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的アルゴリズムを用いた近似最適化手法の一般的設計指針と応用のための基礎的研究
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14780266
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
永田 裕一 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (70334795)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / Evolution Strategy / 実数値関数最適化 / 巡回セールスマン問題 / 交叉 |
Research Abstract |
今年度の本研究課題において、(1)実数値関数最適化のための効率的遺伝的アルゴリズムの開発、(2)巡回セールスマン問題に対する効率的交叉に対する考察、を行った。 (1)に関し、実数値関数に対する従来のEvolution Strategy (ES)、Genetic Algorithm (GA)等の進化的探索手法が、生成された探索点に対して評価値に基づいて選択された選択点のみの情報に基づいて新たな探索点を生成していたのに対し、本研究では棄却された探索点の情報も利用することで、新たな探索点の生成分布の決定を、より少ない生成点からの情報で効率的に行うことを試みた。ES的なアプローチにおいては従来研究において良いとされる多次元正規分布を探索点の生成分布として用い、この分布の適応方法として、選択点を高い確率で、棄却点を低い確率で生成するように、最尤推定を行う手法を提案した。その結果、生成探索点あたりの探索速度は上昇したが、推定のための計算コストが問題でとなることがわかった。そこで、現在はGAを用いてこの分布の推定を陽に計算することなく、擬似的に上記の生成分布を生成する方法を検討している。 (2)に関し、巡回セールスマン問題に対する交叉の重要な特質として親から子への枝の継承割合に着目し、この割合を調整することで優れた探索性能を実現することを示した。またそのための一手法として、従来提案されている単純なEdge Recombinationと呼ばれる手法を改良するだけで、すぐれた性能を実現することを示した。ただし、この手法では計算コストが問題となるため、少ない計算コストで同様の効果を実現する交叉方法を現在検討している。
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