2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化マップ連想メモリの高機能化とハードウェア化に関する研究
Project/Area Number |
14780270
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
服部 元信 山梨大学, 工学部, 助教授 (40293435)
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Keywords | 連想メモリ / 自己組織化マップ / 形態学的連想記憶 / 概念獲得 / 追加学習 |
Research Abstract |
本研究では,連想に基づく高次情報処理システムの実現に向けて,より適切に脳の連想記憶機能を模倣する連想メモリを構築し,ハードウェアに実装することを目的としている.本年度は以下の研究を行った. 1.短期記憶と長期記憶を備えた連想メモリに関する研究 既に提案している自己組織化マップ連想メモリは,新規情報のみによる追加学習が可能であり,一種の長期記憶と見なせる.これに短期記憶の機能を新たに付加した.学習の際に,入力された情報との相関が高い既記憶情報の一部を取り出し,入力情報とともに一旦短期記憶に格納し,短期記憶に蓄えられた情報を長期記憶として学習させる方法を開発した.これにより,記憶間の干渉を防ぎ,パターン空間上での類似関係が適切に写像できることを明らかにした.また,短期記憶に相当する新たな連想メモリとして,形態学的連想記憶の可能性を探り,新しい学習法並びに耐雑音性を改善する手法を開発した. 2.記憶情報からの概念獲得に関する研究 1.の研究成果により,自己組織化マップ連想メモリは,情報の記憶と同時に与えられた情報間の類似関係を反映した分類を行うことが可能となった.これにより,複数の事例から外延的な意味での概念を獲得できる可能性がある.本研究では,3つのクラスが存在するアヤメのデータベースを用いて,各クラスに属するアヤメの属性データを1つの事例とし,個々の事例を記憶したマップ上のニューロンの位置から,クラス毎に平均の位置にあるニューロンを求めた.そのニューロンが該当するクラスの典型的な属性を保持する概念ニューロンであると定義し,概念ニューロンによる未学習データの分類によって,その妥当性を検証した.その結果,比較的簡単な方法ながらも,概念ニューロンが各クラスを代表する典型的な属性を獲得していることが明らかになり,本手法により学習後のマップから概念の獲得が行えることを示した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kobayashi, M., Hattori, M., Yamazaki, H.: "Multidirectional associative memory with a hidden layer"Systems and Computers in Japan. 33・6. 1-9 (2002)
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[Publications] Sakurai, N., Hattori, M., Ito, H: "SOM associative memory for temporal sequences"Proceedings of IEEE and INNS International Joint Conference on Neural Networks. 950-955 (2002)
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[Publications] Hattori, M., Fukui, A., Ito, H.: "A fast method of constructing kernel patterns for morphological associative memory"Proceedings of 9th International Conference on Neural Information Processing. 1058-1063 (2002)
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[Publications] 橋口博司, 服部元信: "形態学的連想記憶の耐雑音性の改善"電子情報通信学会総合大会講演論文集. D-2-14 (2002)
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[Publications] 萩原将文, 服部元信: "「学習とそのアルゴリズム」第2章:"ニューラルネットワークによる連想記憶とその学習法""森北出版. 18 (2002)