Research Abstract |
本年度では,視覚心理実験を利用したエッジ検出手法の比較評価システムを構築し,実際に提案されている代表的な手法に対して,人物画像および顔画像に対しての比較評価を行いエッジ検出手法の特徴づけを行った.また,比較評価のための画像分類の方法について検討した. 提案する比較評価システムは,4つの基本部分,1.比較評価のための画像の体系的分類,2.人間による正解画像の作成,3.パラメータの自動最適化,4.人間による最良の検出結果の対比較,により構成される.今年度では,主に1の画像収集と分類の検討,2〜3の改良を行った.具体的な内容は以下のとおり. 1.画像の体系的な分類では,性能評価で用いる入力画像に対して,画像処理の性能に影響を与えると考えられる,人工物か自然物か,テクスチャ性,雑音の影響,コントラストの指標による体系的な分類を行うための特徴量の検討を行った.また,画像を数千枚ほど収集し,人物と顔画像50枚に厳選する作業を行った. 2.正解の作成では,エッジ検出について,人間に対して視覚心理実験としてタスクを与え,正解を作成した.具体的には,被験者に画像を見せ,知覚できるエッジをペンツールを使ってマーキングし統合するシステムを開発した.これを実際に50枚の画像,10人に対して行い統合することで客観性の高い正解画像を作成した. 3.パラメータの最適化では,2で作成された正解に対して,各手法における最良の結果を得るための,検出の誤差関数を定義し,最適なパラメータを自動的に決定する方法の改良を行い,より人間に近い指標を得ることができた.また,決定されたパラメータの妥当性を,視覚心理実験により検証する方法について検討とシステムの構築を行った.
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