2002 Fiscal Year Annual Research Report
道教資料「道法會元」における護符のパーツ分析および類似分析
Project/Area Number |
14780317
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Research Institution | University of Library and Information Science |
Principal Investigator |
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報学系, 助教授 (50261813)
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Keywords | 道教資料 / 道法會元 / 電子化資料 / 分析支援システム / 護符 / 符 |
Research Abstract |
本研究は道法曾元の中心主題である護符(約6000個)の構成分析を行い、護符のパーツ分析、護符の意味とパーツとの相関関係、護符間の類似性を明らかにすることを目的とする。 道法會元は宋と元の時代を通じて伝えられた雷法をはじめとする道教呪術儀礼の資料を、明の時代に集大成した資料であり、道教の資料集「道蔵」全268巻の中で最も量の多い(約2400ページ)資料である。護符の図とその理論的解説からなっている。本研究では、さらに資料に一歩踏み込み、護符分析をコンピュータ処理で試みる。 平成14年度は、護符分析のための支援システムを構築した。護符分析支援システムは、護符名分析支援とパーツ分析支援の二つの機能を持つ。護符名分析支援は、護符名を構成する語を起点とした順引き排列と逆引き排列を行うことで、同じ語を含む護符をグルーピングして表示することにより、護符名の構成分析を支援できる。例えば、「使者符」という護符名の場合、これを起点として、「雷使者符」「水雷使者符」「土雷使者符」「山雷使者符」「風雷使者符」などの護符名をグルーピングして表示できる。さらに、護符名の文字列頻度を数えて表示することもでき、その結果、「二十四厄符」「使者符」「信香符」「鬼神符」「地獄符」などの名前が多く出現することが判明した。もう一つの機能であるパーツ分析支援では、護符を構成するパーツの情報をデータベースとして格納できる。例えば、「北斗七星」や「三清」などのパーツがどの護符に含まれるかをデータとして付与できる。来年度はこの支援機能を用いて、さらに護符のパーツ分析を詳細に行う予定である。
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