2002 Fiscal Year Annual Research Report
高度IT社会における情報通信処理システムの性能評価アルゴリズムに関する研究
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14780344
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
河西 憲一 群馬大学, 工学部, 助手 (50334131)
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Keywords | 待ち行列モデル / 性能評価 / マルコフ過程 / コールセンタ / W-CDMA / 位置管理方式 |
Research Abstract |
情報通信処理システムにおける制御技術の性能評価、及びそのアルゴリズム開発に向けて、本年度は以下の成果を得た。 1)コールセンタなどへの応用を想定した電話システムの待ち行列モデルについて、その理論的な解析をした。呼の通話時間と、通話後にオペレータがデータベース等への登録処理をする時間を別個に考察し、それらをマルコフ型到着過程(Markovian Arrival Process)を用いてモデル化した。本モデル化によって、既存のマルコフ型到着過程についての結果を応用することが可能となり、特に本成果では呼の条件付待ち時間分布についてその解析解を得た。 2)W-CDMA方式に基づく移動体通信システムにおけるOVSF符号割り当て方式の中で、領域分割(RDA : Region Division Assignment)方式に着目し、その性能評価のための待ち行列モデルを検討した。RDA方式において特徴的な呼の到着過程を、溢れ呼の到着過程のモデルとして知られる断続ポアソン過程(IPP : Interrupted Poisson Process)を用いて近似的に取り扱った。さらに、RDA方式をマルコフ過程によりモデル化し、RDA方式における呼のブロック確率(損失確率)を近似的に評価した。 3)移動体通信における移動機の位置管理方式としてLPC (Limited Pointer forwarding from Commonly visited sites)方式を提案し、既存方式であるLPF (Limited Pointer Forwarding)方式と比較検討した。LPC及びLPF方式における移動機の位置情報の登録と更新に要するコストを評価するため、マルコフ過程に基づく解析モデルを構築した。両方式の位置管理コストの評価結果から、LPC方式がLPF方式に対して優位な条件を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kawanishi: "Waiting Time Distribution of a Queueing System with Post-Service Activity"The Second Euro-Japanese Workshop on Stochastic Risk Modelling for Finance, Insurance, Production and Reliability. 213-222 (2002)
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[Publications] Rujipun Assarut, 河西憲一, 山本潮, 小野里良邦: "W-CDMAにおける領域分割OVSF符号割り当ての解析モデル"日本シミュレーション学会大会 第21回シミュレーション・テクノロジー・コンファレンス計算電気・電子工学シンポジウム. 59-62 (2002)
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[Publications] 荒川 貴明, 河西 憲一, 小野里 好邦: "移動体通信におけるユーザの移動パターンを考慮した位置登録管理方式の性能評価"電子情報通信学会技術研究報告(IN2002-31). Vol.102, No.132. 55-60 (2002)
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[Publications] T.Arakawa, K.Kawanishi, Y.Onozato, R.Deshpande: "Cost Analysis of a Location Management Strategy with Commonly Visited Sites in PCS Networks"The 5^<th> International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications (WPMC'02). 1395-1399 (2002)