2003 Fiscal Year Annual Research Report
品質保証のための検査戦略と検査を考慮した製品設計法の研究
Project/Area Number |
14780351
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水山 元 京都大学, 工学研究科, 助手 (40252473)
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Keywords | 品質管理 / 品質保証 / ロバスト性向上 / 要因管理 / ばらつき低減 / 多段階生産システム / 特性因果グラフ / 意志決定支援 |
Research Abstract |
昨年度は,任意の製造工程において,そこでの品質特性とそれに影響を与える要因の間の因果関係を捉えるための「変動因系統図」と呼ぶネットワークを展開し,品質特性のばらつきを必要なレベルにまで低減するためにどの要因を検査の対象として選択すればよいかを,この変動因系統図に基づいて明らかにする方法を開発した.このとき,品質特性のばらつき低減のための手段として,単に検査による要因管理だけでなく,ロバスト性向上も併せて考慮した.今年度は,この昨年度の成果を,複数の製造工程からなる単流の多段階生産システムに拡張した.まず,各工程で作り込まれる半製品段階での中間特性と最終的な製品の品質特性の間の種々の因果関係をモデル化するための「特性因果グラフ」と呼ぶネットワークを提案し,観測データを利用したグラフィカルモデリングにおける有向独立グラフ生成手順や共分散構造分析における母数推定アルゴリズムと,技術者の経験的な知識を構造化するDEMATEL法を組み合わせることによって,そのトポロジやパラメータの値を明らかにする方法を開発した.さらに,そうして得られた特性因果グラフに基づいて,最終品質特性の変動に対する各工程の直接効果,間接効果および擬似相関を区別し,かつ自工程原因と上流工程原因を区別したうえで,最終品質特性のばらつきを工程別,要因別に展開していくことによって,多くの製造工程を含んだ多段階生産システムの中に検査による要因管理やロバスト性向上を適用する場合に,どの工程に着目するべきかを明らかにすることのできる意思決定支援アプローチを新たに構築した.
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