2002 Fiscal Year Annual Research Report
航空機搭載合成開口レーダ(SAR)画像による都市の脆弱性評価に関する研究
Project/Area Number |
14780375
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
松岡 昌志 独立行政法人防災科学技術研究所, 地震防災フロンティア研究センター・災害情報システムチーム, 研究員 (80242311)
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Keywords | 合成開口レーダ(SAR) / 後方散乱特性 / 都市域 / 入射角 / 相関 |
Research Abstract |
(1)SAR画像の収集:通信総合研究所と宇宙開発事業団が取得した膨大な量の航空機搭載SAR画像から都市域を観測したものを選定し,多偏波強度画像などを出力し,建物群のマイクロ波後方散乱特性について定性的な知見を得た。対象地域は西新宿と神戸主要部である。また,以降で示す解析のために人工衛星データも収集した。これらのデータを格納するための大容量ハードディスクを備えたPCを購入した。 (2)入射角の影響評価:SARはプラットフォームから斜め下方にマイクロ波を照射するシステムであるため,低高度を飛行する航空機搭載SARは航空機からの距離によってマイクロ波の入射角が異なる。そのため,画像の位置によっては観測条件が同じとはいえない。均一な建物群が照射方向と平行にかつ広域に存在する場合には,入射角の違いが建物群での後方散乱特性に与える影響を評価できるが,そのような都市環境条件は現実的ではない。そこで,同じ地域を他種類の入射角で観測した人工衛星の画像を用いて入射角の影響を評価した。対象はトルコのイズミットで1999年の大地震で被害を受けた地域である。使用した画像は入射角23度のERS衛星が2シーン,入射角が可変のRADARSAT衛星が3シーン(入射角は24度,33度,43度)である。まず,これらの画像を目視および画素情報に基づいた面積相関法によって位置合わせを行いSAR画像のデータセットを作成した。そして,Landsat衛星画像から最尤法によって土地被覆分類を行い,分類画像とSARデータを重ね合わせ,土地被覆ごとに後方散乱特性を検討した。その結果,都市域以外の地域では入射角が異なる画像同士の相関が低く,入射角が異なると得られる画像の特徴は全く異なることがわかった。都市域では入射角が大きくなると後方散乱強度はやや低下するものの,入射角が異なる画像同士の相関性も比較的高いことがわかった。
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Research Products
(1 results)