2002 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質セラミックスを用いた新しい大気圧非平衡プラズマ生成法と環境機器への応用
Project/Area Number |
14780379
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井深 真治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70262277)
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Keywords | 多孔質セラミックス / 大気圧非平衡プラズマ / 誘導蓄積型パルス電源 / NO分解 / SIサイリスタ / ハニカムセラミックス |
Research Abstract |
本研究は,多孔質セラミックスという新しい材料を放電プラズマ生成に適用することで,新しい大気圧非平衡プラズマ発生法を提案し,環境機器への応用を実現することを目的とする。初年度である本年は,非平衡プラズマ発生に適すると考えられる高速高電圧パルス発生用電源の開発および,モノリス形多孔質ハニカムセラミックスを用いた放電リアクタによるNO分解過程における放射光分光測定を行った。 大気圧非平衡プラズマを高効率に発生するためには,放電へのエネルギー注入を極めて短時間で行うことで,放電中の電子を選択的に加速することが有効である。そのためには,従来多く用いられてきた容量蓄積型パルス電源よりも,インダクタに電流としてエネルギーを蓄積する誘導蓄積型電源が効果的であると考えられる。そこで,SIサイリスタとMOSFETを組み合わせた低損失ターンオフスイッチを利用する,小型誘導蓄積型パルス電源を制作した。この回路では,SIサイリスタのアノード・カソード間電流をMOSFETでアノード・ゲート間へ転流することによりSIサイリスタの高速電流遮断を実現可能であり,フライバックトランス形昇圧回路と組み合わせることで,100V以下の駆動電圧から18.7kV,パルス半値幅74nsの高速パルスの発生に成功した。 また,多孔質セラミックスを用いたNO分解用放電リアクタにおいて,NO-γシステムおよびN_2セカンドポジティブバンド,N_2ファーストネガティブバンドからの放射光を時間分解測定することにより,放電への印加電界強度増加によるNO分解反応の促進効果を実験により検証した。さらに,多孔質セラミックス表面近傍におけるラジカル反応促進効果を示唆する結果を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 児山 剛: "パルス放電と多孔質セラミックスを用いたNOx分解"電気学会プラズマ研究会資料. PST-02-13 2. 7-12 (2002)
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[Publications] 椎名 淳: "パルス放電と多孔質セラミックスを用いたNO分解とその分解過程に関する研究"平成15年電気学会全国大会講演論文集. 1. 192 (2003)
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[Publications] 井深 真治: "SIサイリスタを用いた誘導蓄積型高速高電圧パルス電源"平成15年電気学会全国大会講演論文集. 1. 182 (2003)