2002 Fiscal Year Annual Research Report
高密度水素プラズマ中における水素原子温度の空間分布測定
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14780380
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒巻 光利 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50335072)
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Keywords | 水素プラズマ / 半導体レーザー / 原子温度 / 吸収分光 |
Research Abstract |
本年度は高分解能ファブリーペロー干渉計を用いた高密度水素プラズマ中のn=3状態水素原子温度測定、レーザー吸収分光用半導体レーザーシステムの構築およびこれを用いたn=2状態水素原子測定法の確立を行った。 実験には波長分解能が約0.03Åの高分解能ファブリーペロー干渉計を用いた。水素原子温度は、水素原子の主量子数がn=3状態からn=2状態へ遷移する際に放出されるH_α線(656.28nm)のドップラー広がりから求めた。そのためこの方法により求められた温度はn=3状態の水素原子の温度を表している。ここで、H_α線を構成する7つの微細構造が同じドップラー広がりを持ち、各遷移の上準位の占有密度は統計重率に比例すると仮定して実験データを評価した。rf電力を0.5kWから3kWの範囲で変化させることにより水素原子が0.05eVから1.8eVまで加熱される様子が観測された。また、rf電力2.5kWにおける水素原子温度の径方向分布を測定したところ、プラズマ周辺部では約0.1eVであった原子温度が、プラズマ柱中心では約0.15eVまで加熱されており、水素原子温度に空間分布があることが分かった。ファブリーペロー干渉計を用いた計測と平行して、レーザー吸収分光用半導体レーザーシステムの構築を行った。光源には光出力60mWの三菱電機製レーザーダイオード(ML101J17)を用いた。動作電流、素子温度をコントロールすることにより656.285nmで発振させるとともに、素子前面に設置した回折格子から1次光を光源にフィードバックすることにより波長の安定化、狭窄化を行った。今回の実験条件では、径方向にレーザーを入射した場合十分な吸収を観測するにはプラズマ柱を数往復させる必要があった。レーザーダイオードの動作電流、温度、回折格子の角度を調整して発振波長を656.24nmから656.32nmの範囲で変化させ、水素原子のn=2状態からn=3状態への吸収スペクトルを観測した。この吸収スペクトルのドップラー広がりから求めたn=2状態の水素原子温度はn=3状態の温度とほぼ等しい結果となっており、本計測法が確立されたことを確認した。
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Research Products
(1 results)