2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカル系プラズマにおける電場の構造とダイナミクスの理論研究
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14780393
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
登田 慎一郎 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60332186)
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Keywords | Plasma Confinement / Transport Barrier / Radial Electric Field / Transition |
Research Abstract |
これまで筆者は,径方向の一次元モデルである密度の連続の方程式,イオンと電子の温度の熱伝導方程式と電場の拡散方程式を用い,輸送障壁の空間構造の考察を行っている(異常輸送係数を時間的,空間的に一定にしていた)。本研究では,解析を行う際,異常熱伝導係数に理論モデルを適用する。この理論モデルは,電場勾配による乱流抑制機構を考慮し,電流拡散インターチェンジモード不安定性(MHD的不安定性)に基づくものである。これによりLモードプラズマや内部輸送障壁の存在するプラズマについて,径電場のみならず温度や密度の分布について,定量的な予言ができる。例えば,電場極性が違う領域が接する領域(電場界面)の半値幅の評価をすることができる。実験においても,電場界面の半値幅の詳細なデータが出始めているので,解析結果との比較研究を行うことができる。 粒子流束と熱流束については,新古典輸送流束と異常輸送流束の双方を取り上げる。電場の構造形成においては,新古典輸送が異常輸送よりも優位である。一方,温度と密度の構造はこの2種類の輸送の競合によって決まる。電場の構造においてヒステリシス特性(分岐)のあるような速い遷移(硬遷移),あるいは空間的にゆっくりした変化の遷移(軟遷移)を得る。径電場の勾配の値の,線平均密度依存性を調べ,軟遷移から硬遷移への変化の考察を行う。分岐がある場合,電場の構造に分岐が見られる径方向の点で異常熱伝導係数に低減を見ることができる。また,加熱量に対する物理量の分布の依存性を考察する必要がある。そしてプラズマ制御入力パラメータの相図上で,どの領域で輸送障壁が観測できるか,提示する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Toda, K.Itoh: "Modelling of electron root plasmas in helical device"Plasma Phys. Control. Fusion. Vol.44,No.5A. A501-A506 (2002)
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[Publications] S.Toda, K.Itoh: "Theoretical Analysis of Structure of Radial Electric Field In Helical Toroidal Plasma"J. Plasma and Fusion Research. Vol.78,No.6. 582-590 (2002)