2003 Fiscal Year Annual Research Report
構造形成と乱流輸送抑制に基づくヘリカルプラズマ閉じ込め高性能化の理論研究
Project/Area Number |
14780395
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
横山 雅之 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60290920)
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Keywords | ヘリカル系 / 改善閉じ込め / 径電場遷移 / 磁場構造 / 非軸対称性 / ポロイダル粘性 |
Research Abstract |
各種ヘリカル系における径電場構造とプラズマの閉じ込め改善に着目して理論研究を展開した。 LHDでの磁場配位の非軸対称性と径電場遷移との関連に着目した理論解析を展開した。非軸対称性の減少(磁気軸位置Rax:大→小)に伴って径電場遷移可能な衝突周波数領域が低下していくという結果が得られた。数種の磁場配位での密度スキャン実験でこの予測が裏付けられた。内部輸送障壁形成や不純物蓄積回避など、改善閉じ込めに対する径電場遷移とその磁場構造との相関を探る実験が、本知見に基づいて展開されている。 東北大ヘリアックでの電極バイアス実験で、径電場遷移とそれに伴う改善閉じ込め(密度上昇)が観測されている。実験によると、ポロイダル粘性はマッハ数2.4程度の付近に極大値を持ち、その周辺でバイアス電圧と電極電流の関係において負性抵抗を示し、径電場遷移が起こっている。これについてポロイダル粘性の理論検討を行った。磁場構造の効果も探るために、数種の配位での理論解析・実験との比較も行った。実験的に得られた粘性と理論解析による粘性とが、定量的にも一致、理論解析での粘性の極大値がマッハ数2.4付近に出現、負性抵抗(遷移)領域が粘性極大を与えるマッハ数に一致、などの知見が得られた。磁場配位の効果としては、粘性の極大値を変化(外寄せで減少)させることがわかり、これは、遷移領域を観測するのに必要な電極電流値の傾向と対応している。これらから、改善閉じ込めの機構が、ポロイダル粘性がマッハ数に対して極大値を持つことに起因する分岐現象である可能性が示唆される。 ヘリオトロンJでは、改善閉じ込めへの遷移が、限られた回転変換値付近のみで観測され、その機構を探る実験が進展中である。磁気面形状変形がポロイダル粘性に与える影響について理論解析を展開している。W7-AS装置でのHモード実現の回転変換窓との総合理解を目指して研究を展開している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Yokoyama et al.: "Analysis of Radial Electric Field Bifurcation in LHD based on Neoclassical Transport Theory"J.Plasma and Fusion Research. 79・8. 816-820 (2003)
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[Publications] M.Yokoyama et al.: "The Effect of Non-Axisymmetry of Magnetic Configurations on Radial Electric Field Transition Properties in the LHD"J.Plasma and Fusion Research. SERIES6(2004年刊行予定). (2004)