2004 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉用低放射化バナジウム合金溶接継手の時効効果
Project/Area Number |
14780397
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
長坂 琢也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助教授 (40311203)
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Keywords | 接合 / 高純度化 / YAGレーザ / 原子炉材料 / 高融点金属 |
Research Abstract |
平成16年度は、大学共通材料である高純度低放射化V-4Cr-4Ti合金NIFS-HEATの溶接継手の中性子照射材について、溶接金属の照射硬化、脆化を熱処理で回復させるため、400-800℃で照射後熱処理実験を行った。母材の照射硬化は600℃×1hrの照射後熱処理で、照射前のレベルまで回復したのに対し、溶接金属で照射硬化、脆化が回復するには、より高温の800℃×1hrの照射後熱処理が必要であった。組織観察の結果、溶接金属においても母材と同じサイズ、数密度、タイプの照射欠陥転位ループが形成されているが、これが熱処理によって消滅する温度が溶接金属では母材に比較して高くなっていることが明らかとなった。照射欠陥組織が同じなのにもかかわらず、溶接金属では照射硬化が大きく、その回復にも高温を要するのは、溶接によってTi-C,N,Oが固溶し、そのC,N,O不純物が転位ループに集積して障害物強度因子を大きくし、さらに熱的安定性を高めていることが原因と考えられる。すなわち、照射前に適切な熱処理によって、この不純物C,N,Oを再び析出物として固定させてやれば溶接金属の照射硬化、脆化は回避できると予測される。種々の熱処理条件で再析出をさせて溶接金属の衝撃試験を行い、最適な溶接後熱処理条件として800℃×1hrを得た。以上の成果を含め、3年間の研究のまとめを行い、国内外の学会、科学雑誌にて発表した。
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Research Products
(3 results)