2004 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質およびエネルギー同時生産のための固体酸化物燃料電池型反応器の開発
Project/Area Number |
14780398
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊地 隆司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40325486)
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Keywords | イットリア安定化ジルコニア / メタン部分酸化反応 / 電力化学物質同時生産 / チタン酸カルシウム / 内部改質 / 外部改質 / 熱効率 / 吸熱反応 |
Research Abstract |
固体酸化物を電解質として用いた燃料電池型反応器において、合成ガス(CO+H_2)と電力の同時生産をおこなう電力化学物質同時生産システムの構築を目的とし、燃料極について研究を行った。メタンの部分酸化反応条件では、電極上に炭素が析出し、電極性能劣化を引き起こすため、炭素析出を抑制する燃料極の開発が重要である。 FeをドープしたCaTiO_3(以下FCT)を新規燃料極材料として検討し、化学的安定性をX線回折により評価し、また電極微構造の電子顕微鏡観察を行い、電極作製条件の最適化を行った。この材料はプロトンおよび酸素イオン導電性を示し、導電性が高いため、燃料極のNi量を低減し炭素析出をおさえられる可能性がある。これまでにNi-FCTとYSZ電解質との焼成温度は1300℃がもっとも良いことを報告しているが、この温度での熱処理前後では、X線回折パターンに変化は見られず、高温処理後も化学的に安定であることが分かった。焼成温度を1400℃にしても同様に安定であることが示唆された。NiとFCTの重量比が、NiO:FCT=1:1もしくは4:1において、電極表面観察および発電試験を行ってきたが、さらにNiO:FCT=7:3、6:4、4:6、3:7において電極を調製した。このうちNiO:FCT=4:6がもっとも微細な電極構造をとった。開回路電圧はNiO:FCT=1:1の場合と同様の値が得られ、メタンの部分酸化反応に対応する開回路電圧となったが、電流値は1/10程度となり、著しく性能は低くかった。したがって、NiO:FCT=1:1、1300℃焼成試料が最適条件であると分かった。 SOFCモデルにより、燃料の電極上での直接内部改質と、外部燃料改質との熱効率の比較をした。内部改質では熱エネルギーが余剰になる傾向があり、部分的に燃料を外部改質し、のこりの燃料を直接電極上で改質する方が、発電効率が向上することがわかった。
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Research Products
(5 results)