2002 Fiscal Year Annual Research Report
高強度フェムト秒レーザーを用いたポジトロンエミッター生成に関する研究
Project/Area Number |
14780405
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 文信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40332746)
|
Keywords | フェムト秒レーザー / ポジトロンエミッター / 核反応 / 高強度レーザープラズマ / 高エネルギーイオン / クラスターターゲット / 消滅γ線 / 高速電子 |
Research Abstract |
高強度フェムト秒レーザーによるポジトロンエミッターの生成機構を明らかにするために、予備実験として、大阪大学レーザー核融合研究センターのチタンサファイアレーザーT6システム(130フェムト秒、繰り返し10Hz、5TW)を利用して、高エネルギーイオン発生実験をおこなった。 はじめに、高いレーザー集光強度を得るために、軸外し放物面鏡と高性能CCDカメラを用いたレーザー集光モニターを設置して、チタン金属試料の表面上にレーザー光を集光し、10μm以下の集光スポット径を得た。 金属箔での高強度フェムト秒レーザーの強光電場作用によって、高エネルギーイオンを発生させ、厚さの異なる金属箔と固体飛跡検出器CR39を用いて高エネルギーイオンのエネルギースペクトルを調べた。チタン金属箔にレーザー強度10^<18>W/cm^2で照射した場合、(金属表面に付着していると考える)水素については、最大エネルギー300keV程度までの高エネルギーイオンを観測することが出来た。今後、さらに高強度のレーザーを用いることによって、高エネルギーのイオン発生が期待できて、荷電粒子の核反応が可能となりポジトロンエミッター生成が見込まれる。 また、レーザー繰り返し実験を行うために、高速パルスガスノズルをレーザー実験チェンバーに設置した。本装置を用いることによって、レーザーとパルスノズルが同期して動作するため、最大で10Hzの繰り返し実験が可能となった。また、ガス噴出領域の状態を調べるために、光干渉計とレーザー散乱光測定システムを整備した。
|
-
[Publications] 沖原伸一朗, 佐藤文信他: "テーブルトップ超短パルス高強度レーザー生成高エネルギープロトン特性"放射線(応用物理学会放射線分科会会誌). 27. 31-34 (2001)
-
[Publications] S.Okihara: "Energetic proton generation in a thin plastic foil irradiated by intense femtosecond lasers"Journal of Nuclear Science and Technology. 39, 1. 1-5 (2002)