2002 Fiscal Year Annual Research Report
サブピコ秒パルスラジオリシス法によるナノリソグラフィ材料の反応機構の解明と開発
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14780406
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20251374)
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Keywords | サブピコ秒パルスラジオリシス / ナノリソグラフィ / レジスト材料 / 電子ビーム / 化学増幅型 / 放射線化学 / 酸発生剤 / 熱化過程 |
Research Abstract |
現在、次期放射線用レジストとしては露光によってレジスト内に酸を発生させ、その酸触媒反応による連鎖反応を利用する化学増幅型レジストがレジスト開発の主流になっている。従来の光用化学増幅型レジストでは、主に酸発生剤が選択的に光を吸収し、像形成に利用される酸を生成していたが、放射線では、エネルギーは主にレジストのベース樹脂に吸収され、プロトンはベース樹脂から生成する。一方、酸のアニオンは、イオン化で生成した電子が酸発生剤と反応することにより発生する。このようなプロトンとアニオンの発生場所の相違は今までの解像度では特に問題にならなかったが、ナノオーダーのパターンを解像するためには大きな障害になりうると考えられる。本年度はサブピコ秒パルスラジオリシス法を用い、過去に測定が不可能であった時間領域での酸発生剤とマトリクスの放射線化学反応の解明を行った。酸発生剤には代表的な酸発生剤であるオニウム塩を用い、マトリクスにはイオン化直後の電子の挙動を直接測定することができるメタノールを用いた。実験及び解析の結果、化学増幅型レジストではピコ秒以下の時間領域で酸発生剤が熱化電子を効率よく捕捉することにより、電子のマトリクス内での拡散を防ぎ、空間分解能の劣化を抑えていることが解明された。しかし、イオン化後の熱化距離は数ナノメーターに及びため、数ナノメーターの解像度を持つ新規レジストを開発するためには、電子の熱化過程の積極的な制御が必要になることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kozawa, A.Saeki, Y.Yoshida, S.Tagawa: "Study on Radiation-Induced Reaction in Microscopic Region for Basic Understanding of Electron Beam Patterning in Lithographic Process (I)"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 4208-4212 (2002)
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[Publications] A.Saeki, T.Kozawa, Y.Yoshida, S.Tagawa: "Study on Radiation-Induced Reaction in Microscopic Region for Basic Understanding of Electron Beam Patterning in Lithographic Process (II)"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 4213-4216 (2002)
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[Publications] R.Nagaishi, T.Kimura, Y.Yoshida, T.Kozawa, S.Tagawa: "Pulse Radiolysis Study on Reactions of a Hydrated Electron with Europium(III)-Aminopolycarboxylate Complexes in Aqueous Perchlorate Media"J.Phys.Chem.. A106. 9036-9041 (2002)
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[Publications] 古澤孝弘, 誉田義英, 木村徳雄, 吉田陽一, 田川精一: "ナノ量子ビームによるナノ微細構造の創出と探索"マテリアルインテグレーション. 第15巻第10号. 36-39 (2002)