2002 Fiscal Year Annual Research Report
水域開発に伴う資源再利用型環境保全・修復システムに関する研究
Project/Area Number |
14780443
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
末永 慶寛 香川大学, 工学部, 助教授 (00284349)
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Keywords | 流動制御 / 水産資源増殖構造物 / 多孔質基質 / 数値モデル / 生物蝟集効果 / 海域環境保全・改善システム |
Research Abstract |
自然再生推進法が成立し、瀬戸内海を始め海域環境改善は急務となってきている。本研究は、従来のコンクリート等を用いた材料に代わる資源再利用を考慮した生物親和性の高い炭酸カルシウム多孔質体を開発し、環境改善効果の高い魚礁等に適用することにより、沿岸海域の生産力増強機能を持つ海域環境保全・修復システム構築を目指すものである。 研究初年度は、(1)生物着生に有効とされる流動制御機能を有する水産資源増殖構造物の開発、(2)設置適地選定のための流動観測、数値シミュレーションモデル構築、(3)構造物製作、実海域への設置、(4)生物効果調査を行い、システム構築のための基礎データ収集及び手法の妥当性を検証した。以下に概要を示す。 先ず、構造物の基本形状を設計し、中央部に流動制御版を装着した構造物模型を作製して水理実験を行った。その結果、構造物による後流域形成範囲について,流速10cm/s以上の流域においては,構造物高さの約20倍程度後方まで影響を与えることが判った。次に、数値モデルによる設置適地を選定した後、実機構造物を製作し、実海域へ設置した。設置後3ヶ月が経過した時点で流動制御機能を有する水産資源増殖構造物について,近接する良好な漁場となっている天然礁と同様な魚種の蝟集が確認され、実海域での良好な生物蝟集効果が発揮されていることが検証された。また餌料培養基質として,建設副産物であるスラグを混入して表面を炭酸カルシウム化した多孔質な微少空間を有する餌料培養プレートを構造物に装着させた場合の餌料生物着生効果も検証し,プレートの持つ餌料培養機能の有効性を確認した。研究2年目以降は、長期的な生物効果を調査し、従来基質に対する資源再利用型多孔質基質の優位性及び海域環境保全・改善システムの有効性を検証する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 末永慶寛, 門谷茂, 安煕道, 白木渡, 掛川寿夫, 山本直樹: "流動制御機能を有する水産資源増殖構造物の開発"海環境と生物および沿岸環境修復技術に関するシンポジウム発表論文集. 第1巻1号. 91-96 (2002)
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[Publications] Y.Suenaga, H.D.Ahn: "Development of the Method for Creating Habitat of Marine Resources by Using Numerical Model"Proceedings of the Korean Society for Marine Environmental Engineering. 2002 Spring. 211-214 (2002)
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[Publications] Y.Suenaga, H.D.Ahn, H.Kakegawa, T.Hoshino: "Numerical Experiment of the Method for Creating Fishery Ground in and Around the Bisan-Seto"13th IAHR-APD Congress, Advances in Hydraurics and Water Engineering. 13^<th>, KOSMEE, VolII. 961-966 (2002)
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[Publications] Y.Suenaga, K.Masuda, T.Sasaki, H.Kakegawa, K.Hisamura, A.Suenaga, K.Kimigawa: "Development of the Planning System for Creating Fishery Ground by Using the Numerical Model"Proceedings of the 12^<th> International Offshore and Polar Engineering Conference. 12^<th>ISOPE. 420-424 (2002)
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[Publications] Y.SUENAGA, N.TOMIZAWA, K.MASUDA, S.MONTANI, K.TADA: "Modeling of dissolved oxygen of aquaculture grounds in a semi-enclosed bay"The Japanese Society of Fisheries Science 70^<th> Anniversary Supplement I. FS Vol.68 JSFS. 546-549 (2002)