2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型バイオポリエステルの生合成におけるポリエステル顆粒形成機構の解明
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14780448
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
松崎 弘美 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (30326491)
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Keywords | 生分解性プラスチック / ポリヒドロキシアルカン酸 / PHA / 共重合ポリエステル / Pseudomonas / phasin |
Research Abstract |
微生物が合成するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、生分解性プラスチックであるため、環境に負荷を与えない環境調和型バイオポリエステルとして注目される。Pseudomonas sp.61-3は、炭素数4の(R)-3-ヒドロキシブタン酸(3HB)をモノマー単位とするP(3HB)ホモポリマーと炭素数4.12の(R)-3-ヒドロキシアルカン酸(3HA)をモノマー単位とするランダム共重合ポリエステル、P(3HB-co-3HA)、の2種類のPHAを同一菌体内に蓄積する。これは、基質特異性の異なる2種類のPHA重合酵素を有しているためであり、合成されたPHA顆粒には、特異的に結合するタンパク質(GAP ; Granule-associated protein)がそれぞれ存在する(P(3HB)に特異的なGA24、P(3HB-co-3HA)に特異的なGA18およびGA36)。しかしながら、GAPがどのような機能で局在しているかは明確ではない。そこで、Pseudomonas sp.61-3の種々の遺伝子組換え株を作製し、3HB(C4)と3HA(C6-C12)のモノマー組成比が異なる様々な共重合ポリエステルを合成させた。次いで、菌体破砕物からPHA顆粒をそれぞれ単離し、GAPのSDS-PAGE分析とPHAのモノマー組成分析を行った。その結果、GA24は3HB分率が87mol%以上のポリエステルに結合し、GA18およびGA36は少なくとも3HA分率が13mol%以上のポリエステルに結合することが明らかとなった。さらには、基質特異性の異なるPHA重合酵素の遺伝子欠損変異株を用いた実験から、GAPはPHA重合酵素と相互作用するのではなくポリエステルのモノマー鎖をそれぞれ認識していると考えられた。また、相同性検索の結果から、GA18およびGA36はGAPとしてPHAの菌体内における安定性に寄与するのみならず、PHA重合酵素遺伝子の転写を負に制御していると考えられる。GA24遺伝子については現在クローニング中であり、その分子解析を行うことにより、PHA生合成機構を明らかにする。また、P(3HB)の合成に必須な転写アクチベーターPhbRを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsumoto K, Matsusaki H, Taguchi K, Seki M, Doi Y: "Isolation and characterization of polyhydroxyalkanoates inclusions and their associated proteins in Pseudomonas sp.61-3"Biomacromolecules. 3巻4号. 787-792 (2002)
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[Publications] Taguchi, S, Matsusaki H, Matsumoto K, Takase K, Taguchi K, Doi Y: "Biosynthesis of biodegradable polyesters from renewable carbon sources by recombinant bacteria"Polymer International. 51巻10号. 899-906 (2002)