2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエン抗生物質アムホテリシンBが形成する超分子チャンネル複合体の構造解析
Project/Area Number |
14780458
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松森 信明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50314357)
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Keywords | 抗生物質 / イオンチャネル / 脂質二重膜 / ステロール / 固定NMR / 超分子複合体 / 連結分子 / 構造解析 |
Research Abstract |
抗生物質アムホテリシンB (AmB)は感染症治療に広く用いられており、重要な抗真菌剤の一つである。その抗真菌作用は主に細胞膜におけるイオンチャネル複合体の形成により発現するとされており、選択毒性は膜含有ステロールの違いによると考えられている。しかしチャネル複合体の構造やステロール認識機構については、未解明のままである。本研究では、AmBチャネル複合体の構造を明らかにするとともに、AmB分子同士間およびAmB-ステロール間の分子認識機構の解明を目指す。 前年度にAmBと同等のチャンネル活性を有するAmB二量体分子の作成に成功しているが、これまでは長鎖リンカーを用いてきた。今回、短鎖かつ極性基を含むリンカーを用いて二量体を調製したところ、従来の10倍程度の活性を有することが明らかとなった。短鎖リンカーによりAmB同士が隣り合った配座をとりやすくなり、チャネル複合体が安定化されたためと考えられる。また、この短鎖二量体はチャネル電流測定において顕著な整流性を示した。非ペプチド性イオンチャネルで整流性が認められた例は少なく、今後の機能性イオンチャネルへの応用が期待できる。 またAmB-ステロール連結体については、エルゴステロールを連結させた場合にコレステロール連結体よりもチャネル活性が高く、AmBのエルゴステロール選択性を連結体においても再現できた。さらに、^<13>C標識したAmBと^<19>F標識したステロールとの連結体の調製も完了し、^<19>F-^<13>C間の距離測定を行っている。 さらに生合成的に調製した^<13>C標識AmBを用い、脂質膜中でのAmB分子の配向を固体NMRにより調べた。その結果、AmBは単分子長で膜を貫通する配向をとっていることが明らかとなった。 同時に、距離測定に適した^<19>Fを化学的に導入したAmBの調製にも成功し、AmBと同等の活性を有することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Matsumori, N.Yamaji, S.Matsuoka, T.Oishi, M.Murata: "Amphotericin B covalent dimers forming sterol-dependent ion-permeable membrane channels."Journal of the American Chemical Society. 124巻16号. 4180-4181 (2002)
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[Publications] N.Yamaji, N.Matsumori, S.Matsuoka, T.Oishi, M.Murata: "Amphotericin B dimers with bisamide linkage bearing powerful membrane-permeabilizing activity"Organic Letters. 4巻12号. 2087-2089 (2002)
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[Publications] S.Matsuoka, N.Matsumori, M.Murata: "Amphotericin B-phospholipid covalent conjugates : dependence of membrane-permeabilizing activity on acyl-chain length"Organic & Biomolecular Chemistry. 1巻22号. 3882-3884 (2003)
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[Publications] N.Matsumor, N.Eiraku, S.Matsuoka, T.Oishi, M.Murata, T.Aoki, T.Ide: "Amphotericin B-Ergosterol Covalent Conjugate Bearing Powerful Membrane Permeabilizing Activity"Chemistry & Biology. 発表予定.
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[Publications] N.Matsumor, R.Masuda, M.Murata: "Amphotericin B Covalent Dimers bearing Tartarate Linkage"Chemistry & Biodiversity. 1巻2号. 346-352 (2004)