2002 Fiscal Year Annual Research Report
固定化複合酵素バイオリアクターによる高機能化光学活性医薬品の開発
Project/Area Number |
14780460
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
下田 恵 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40284153)
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Keywords | 配糖化酵素 / 膜型酵素バイオリアクター / 効率的配糖体生産 |
Research Abstract |
固定化複合酵素バイオリアクターを構築するため、配糖化酵素を用いた膜型酵素バイオリアクターによる配糖体生産の条件検討、ならびに本酵素の酵素化学的性質の解明を実施した。 1.酵素的配糖化反応の最適化と酵素化学的諸性質 基質として2-ブタノールを用いた酵素的配糖化反応の反応条件を確立するため、50mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)標準反応混合液中(1ml)に添加するUDPG量、酵素量、および反応時間について検討した。その結果、反応時間の経過とともに酵素的配糖化が進行し、10μmolブタノール、および70μmol UDPGを酵素画分0.01mgと共に、50mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)中で37℃、24h振とう反応させた際、配糖体が最大20%の変換率で生成し、酵素的配糖化反応における最適反応条件であると考えられた。 酵素化学的性質を解析するため、2-ブタノール、2-オクタノールおよびフェノール類のアグリコンに対する反応性を、UDPGを糖供与体として標準反応条件下(1ml)で検討した結果、1級水酸基について配糖化され、フェノール性水酸基に対する配糖化は確認されなかった。次に、2-ブタノールの配糖化反応における糖供与体を標準条件下で検索したところ、UDPGを糖供与体とした場合にのみ活性がみられ、TDPGやADPGからの糖転移反応はまったくみられなかった。 2.膜型酵素バイオリアクターの構築 2-ブタノール配糖体の効率的な酵素的生産方法を確立するため、配糖化酵素を固定化した膜型酵素バイオリアクターを構築した。限外ろ過膜を反応容器の底部に取り付けたslurry reactor内で、UDPGを糖供与体として、1回あたりの反応において標準反応混合液10mlを用いて配糖化反応に供したところ、平均変換率15%の配糖体生産が可能であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Shimoda: "Biotransformation of phenolic compounds by the cultured cells of Catharanthus roseus"J. Mol. Cat. B : Enzymatic. 16. 275-281 (2002)
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[Publications] S.Yamane: "Purification and characterization of gentisic acid glucosyltransferase from the cultured cells of Nicotiana tabacum"J. Mol. Cat. B : Enzymatic. 17. 59-63 (2002)