2002 Fiscal Year Annual Research Report
脂質膜に自発的挿入するペプチド分子の動的高次構造と細胞内挙動の解析
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14780461
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松原 輝彦 徳島大学, 工学部, 助手 (10325251)
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Keywords | 生体膜 / 脂質二重膜 / リポソーム / ペプチドライブラリー / ファージディスプレイ法 / セレクション / マイクロドメイン / 細胞内小胞 |
Research Abstract |
本研究は細胞表層に存在する脂質膜と相互作用するペプチド分子を設計し、天然にない動的機能および構造を付与する試みを行っている。H14年度ではランダムペプチドライブラリーの調製およびセレクションの試みを行った。 親水性部分にリン酸基を有するホスファチジン酸の単分子膜を気/水界面に調製し、12残基のランダムペプチドライブラリーを提示しているファージ粒子群(ファージライブラリー)を用いてセレクション操作を行った。ホスファチジン酸およびホスファチジン酸/コレステロールの単分子膜を固相担体に固定化し、ファージライブラリーと相互作用させた。洗浄後、酸性条件で相互作用しているファージを溶出し、増幅した(アフィニティーセレクション)。この操作を4回行ったところ、溶出されてくるファージは回を追うごとに減少した。ELISAを行って得られたファージの単分子膜への結合活性を調べたが、有意な値は得られなかった。セレクション条件の検討が必要であることがわかった。 また同時に18および24残基のランダムペプチドライブラリーを提示しているファージライブラリーを作製した。合成オリゴDNAを鋳型としてポリメラーゼで伸長反応を行い、得られた二重鎖を2種類のAcc65IおよびEagI制限酵素で切断した。同じ制限酵素でファージミドベクターを切断し、これらをライゲーション反応を行って接続した。2.5kV,5secで大腸菌に電気穿孔し、ファージDNAを形質転換した後、大腸菌を培養してファージ粒子を産生させた。人工DNA挿入部分をPCRを行って増幅したところ、18残基のランダムペプチドライブラリーのみ設計どおり遺伝子が組み込まれ、ファージライブラリーが調製出来ていることことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Matsubara, Y.Hiura, K.Kawashiro: "Biocombinatorial selection of metal ion-chelating peptides"Int. J. Modern Phys. B. 17(1&2). 193-198 (2003)
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[Publications] 植田充美 編(分担執筆): "コンビナトリアル・バイオエンジニアリング"化学同人. 213 (2003)