免疫化学的手法を用いたアリストロキア酸の超高感度検出システムの開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14780463
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 田中 宏幸 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (30253470)
• Keywords: アリストロキア酸 / アリストロキア属植物 / モノクローナル抗体 / ELISA / イムノアッセイ

Research Abstract

本研究は、主にアリストロキア属の植物に含有される成分であるアリストロキア酸(Ari)に対するモノクローナル抗体(MAb)を作製し、本MAbを用いてアリストロキア酸の超高感度検出システムを開発することを目的としている。
本申請者は、平成14年度中にAriに特異的なMAbの作製を目的として、まず免疫原であるAri-牛血清アルブミン複合体(Ari-BSA)の調製を行った。Ari-BSAのハプテン結合数をMALDI-tof MSにより測定し、十分な免疫原性を有していることを確認した後、これを免疫原としてマウスに感作した。血中抗体価の上昇を確認した後、ポリエチレングリコール法により細胞融合を行い、続いてELISAによる抗Ari MAb産生ハイブリドーマの選択的選抜、限界希釈法によるハイブリドーマのクローニングを行い、抗Ari MAb産生ハイブリドーマ(1A8)の作製を完了した。
さらに、抗Ari MAb産生ハイブリドーマ(1A8)を大量培養した後、培養上清中の抗Ari MAb(1A8)を精製し、これを活用して競合的ELISAによるAriの特徴付け並びに免疫化学的アッセイシステムの構築を試みた。その結果、本抗体はAriに対して極めて高い選択性を持つことが明らかとなり、また本抗体を活用した競合的ELISAにおいて200ng/mL〜5μg/mLの濃度領域を検量域とするアッセイシステムを構築した。
申請者は、高感度且つ迅速な免疫化学的アッセイシステムの構築を目指した研究を平成15年度に展開する計画である。