2002 Fiscal Year Annual Research Report
Funicone類によるアゾール系抗真菌剤活性増強機構の解明
Project/Area Number |
14780464
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
荒井 雅吉 北里大学, 北里生命科学研究所, 講師 (80311231)
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Keywords | 抗真菌剤 / 活性増強物質 / Actofunicone / 深在性真菌症 / Miconazole / Candida albicans / バイオプローブ |
Research Abstract |
アゾール系抗真菌剤の活性増強物質として発見した新規化合物actofuniconeおよびその類縁化合物deoxyfunicone、vermistatin、NG-012の作用メカニズムの解析を目的に、以下の検討を行った。 1.二次元電気泳動法を用いた作用部位の解明 本年度は主に実験系の確立と予備検討をdeoxyfuniconeを用いて実施した。アマシャムバイオサイエンス社IPGphorを基本システムとして、病原真菌であるC.albicansのプロテオーム解析に適した泳動条件を検討した結果、pHレンジを3〜10に設定した場合に最も良い分離が得られた。本条件下においてdeoxyfunicone処理または未処理サンプルの電気泳動を行い、検出されるスポットの比較を行った結果、約20のスポットの変動を確認した。次年度はこれらの変動タンパク質の同定を実施する。 2.S.cerevisiae変異株を用いた標的分子の解析 本年度の実験計画であるエチルメタンスルホン酸処理によるfunicone類耐性S.cerevisiaeの作成は現在継続中であるが、これまでの検討からfunicone類の標的分子が薬剤排出機構であることが示唆されているため、S.cerevisiaeにおけるアゾール系抗真菌剤の主要な薬剤排出機構であるPDR5を欠損したS.cerevisiae(広島大学、宮川都吉教授より分与)を利用し、funicone類のPDR5に対する影響を検討した。しかしながら、funicone類にPDR5の阻害活性は見られなった。このことからfunicone類はPDR5以外の薬剤排出機構を阻害することが示唆された。
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