2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780467
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
水野 真盛 野口研究所, 研究部, 研究員 (40271506)
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Keywords | 糖鎖チップ / 糖鎖アスパラギン / ELISA / N-結合型糖鎖 / ハイスループット |
Research Abstract |
DNA、タンパク質に次ぐ第3の生体高分子として糖鎖がある。糖鎖は生体内で細胞間の認識や接着、ウイルスや毒素の感染など、分子や細胞の認識機能に密接に関与している。このように生命現象において非常に重要な役割を担っている糖鎖は、その生合成が遺伝子による直接支配を受けないため、糖鎖研究はポストゲノムにおける重要な研究分野であるといっても過言ではない。そこで、糖鎖の機能を簡便に解析出来るツールとして、多種多様な糖鎖を一枚のチップ上に固定化した「糖鎖チップ」の開発を行うことにした。まず、卵白、及び卵黄より単離した高マンノース型、バイセクト型、アシアロ型の糖鎖を有する糖鎖アスパラギンのアミノ基をFmoc化し、原料となるFmoc糖鎖アスパラギンを合成した。これらのFmoc糖鎖アスパラギンをそれぞれDMT-MMを縮合剤として用いて、96穴アミノプレートへ固定化した。更に、基質の非特異的吸着を減少させるため、Fmoc基の除去を28%アンモニア水を用いて行った。次に、ジシアロ型糖鎖アスパラギンはアスパラギン部位の他にシアル酸部位にもカルボキシル基を有している。従って、BS^3試薬を用いアスパラギンのアミノ基を介して固定化を行った。 このようにして、4種類(高マンノース型、バイセクト型、アシアロ型、ジシアロ型)の糖鎖が固定化された「糖鎖チップ」を合成することに成功した。次に、得られた糖鎖チップに対して、種々のレクチン(ConA、RCA-120、DSA、WGA)との相互作用をELISA法により測定したところ、糖鎖の種類によってレクチン間の相互作用の強度差が確認された。この結果より、固定化された天然糖鎖が糖鎖チップとして機能することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Dondoni, A.Marra, M.Mizuno, P.P.Giovannini: "Linear Total Synthetic Routes to β-D-C-(1,6)-Linked Oligoglucoses and Oligogalactoses up to Pentaoses by Iterative Wittig Olefination Assembly"J.Org.Chem.. 67・12. 4186-4199 (2002)
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[Publications] M.Mizuno, K.Kobayashi, H.Nakajima, M.Koya, T.Inazu: "Unexpected reaction using methanol dried over molecular sieves"Synthetic Commun. 32・11. 1665-1670 (2002)
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[Publications] I.Saskiawan, M.Mizuno, T.Inazu, K.Haneda, S.Harashima, H.Kumagai, K.Yamamoto: "Chemo-enzymatic synthesis of the glycosylated α-mating Factor of Saccharomyces cerevisiae and analysis of its biological activity"Archives of Biochemistry and Biophysics. 406. 127-134 (2002)
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[Publications] M.Mizuno, K.Goto, T.Miura, D.Hosaka, T.Inazu: "A Novel Peptide Synthesis Using a Fluorous Chemistry"Chem.Commun.. 972-973 (2003)