2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780467
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
水野 真盛 (財)野口研究所, 研究部, 研究員 (40271506)
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Keywords | 糖鎖チップ / 糖鎖アスパラギン / ELISA / N-結合型糖鎖 / ハイスループット / 蛍光偏光 / 一分子蛍光分析 |
Research Abstract |
DNA、タンパク質に次ぐ第3の生体高分子である糖鎖は、生体内で細胞間の認識や接着、ウイルスや毒素の感染など、分子や細胞の認識機能や、加齢や組織の分化などに密接に関与している。このように生命現象において非常に重要な役割を担っている糖鎖は、その生合成が遺伝子による直接支配を受けないため、糖鎖研究はポストゲノムにおける重要な研究分野である。そこで糖鎖の機能を簡便に解析出来るツールとして、種々の糖鎖を一枚のチップ上に固定化した糖鎖チップの開発を行うことにした。昨年度までに鶏卵より調製した4種類の糖鎖(高マンノース型、バイセクト型、シアロ型、アシアロ型)を96穴マイクロプレートに固定化し、糖鎖チップを合成することに成功した。本年度は糖鎖チップ上への基質の結合量を測定する方法の開発を試みた。具体的にはHRP修飾されたレクチンを用いたELISA法を用いた。しかし、糖鎖とレクチンとの相互作用はタンパクの抗原-抗体間の相互作用と比べ弱いためか、後処理の洗浄工程で相互作用したレクチンも糖鎖から解離してしまい再現性のない結果となった。しかし固定化した糖鎖はレクチンの種類によって相互作用の強弱が確認できたことから固定化糖鎖は糖鎖チップとして機能することが明らかと成った。 次に溶液中での糖鎖の相互作用についての検討を行った。測定方法としては蛍光偏光法、及び一分子蛍光測定法を用いた。まず糖鎖アスパラギンのアミノ基にダンシル基やテトラメチルローダミン基などの蛍光基を導入した。これを基質にしてレクチンとの相互作用を測定したところ糖鎖はレクチンの種類によって相互作用の強弱が確認でき、蛍光偏光法、及び一分子蛍光測定法が糖鎖の相互作用解析に有用であることが確認された。特に一分子蛍光測定法は、固定化操作が不要、かつ用いる基質の量がフェムトモルと極微量ですむことから、糖鎖の機能解析に非常に有用な手法として期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mamoru Mizuno, Midori Noguchi, Mie Imai, Tetsuya Motoyoshi, Toshiyuki Inazu: "Interaction assay of oligosaccharide with lectins using glycosylasparagine'"Bioorg.Med.Chem.Lett. 14・2. 485-490 (2004)
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[Publications] Mamoru Mizuno, Tsuyoshi Miura, Kohtaro Goto, Takeshi Matsuura, Toshiyuki Inazu: "Peptide Synthesis on Fluorous Support"Tetrahedron Lett.. 45・17. 3425-3428 (2004)
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[Publications] Mamoru Mizuno, Tsuyoshi Miura, Kohtaro Goto, Daisuke Hosaka, Toshiyuki Inazu: "A Novel Peptide Synthesis Using a Fluorous Chemistry"Chem.Commun.. 972-973 (2003)
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[Publications] Katsuji Haneda, Toshiyuki Inazu, Mamoru Mizuno, Kenji Yamamoto: "Recognition of Carbohydrates in Biological Synthesis, Part A : General Procedures. Vol.362,Methods in enzymology"Academic Press Limited. 625 (2003)