2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト自然抗体によって認識される下等動物の極性糖脂質の構造とその生理活性
Project/Area Number |
14780472
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
糸乗 前 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90324558)
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Keywords | 糖脂質 / 複合糖質 / 構造解析 |
Research Abstract |
糖脂質の抽出及び構造解析: 糖脂質の抽出:環形動物ヒル綱チスイビルから有機溶媒(クロロホルム,メタノール,水の混合溶媒)を用いて,既に確立化している下等動物の糖脂質抽出法を応用し抽出した。和漢薬のスイテツを試料とし,細かく粉砕した後,混合有機溶媒で脂質を抽出した。 糖脂質の精製:極性基を持つ糖脂質を得るため,イオン交換クロマトグラフィーで極性に基づいた分画をし、中性糖脂質画分,酸性糖脂質画分,極性糖脂質画分に分画した。さらに,糖鎖の数や種類による分画はケイ酸カラムクロマトグラフィーを用いて,有機溶媒の組成比率や混合溶媒を変え,それらを組み合わせて,単一の糖脂質に精製した。 糖脂質のの構造解析:糖鎖の数や極性基の種類などは,薄層クロマトグラフィー上の移動度と発色試薬検出によって推定し,糖鎖結合のアノマー配位の決定に利用する糖結合分解酵素の産生物の同定もTLCを用いた。糖の種類は,近年詳細に検討した電磁波による酸分解あるいはフッ化水素で処理後,その糖誘導体をガスクロマトグラフィーとガスマス分析で決定した。また,糖鎖結合の位置は部分メチル化物の酸加水分解物を誘導体化しGCとGC-MSで解析した。糖脂質全体,あるいは酸部分加水分解物の分子量はMALDI/TOF-MSによって測定した。全体構造と糖鎖配列を調べるとともに,詳細な分子量及び糖鎖配列の測定は共同研究としてFAB-MS分析で行った。糖鎖のアノマー配位も同じく共同研究としてNMR分析で行い、さらに部位特異的糖切断酵素による分解物の解析により決定した。4糖と5糖の極性糖脂質の構造解析を行い,GlcNAcに極性基が結合していることが分かった。
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