2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパラン硫酸6スルホトランスフェラーゼの基質認識機構の解明
Project/Area Number |
14780476
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角田 佳充 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00314360)
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Keywords | スルホトランスフェラーゼ / ヘパラン硫酸生合成 / X線結晶構造解析 / 基質特異性 / 硫酸基転移反応 |
Research Abstract |
ヘパラン硫酸鎖は、プロテオグリカンの糖鎖成分として主に細胞表面に存在し、細胞間の情報伝達に関係すると考えられている分子である。この生合成過程には、複数の酵素群が関与し、複雑な糖鎖構造を作り上げることがわかっている。本研究の対象としているヘパラン硫酸6スルホトランスフェラーゼ(HS6ST)は、ヘパラン硫酸鎖の生合成過程において、イズロン酸の6位の水酸基に硫酸機を転移する反応を触媒する酵素である。ヘパラン硫酸鎖の6位の硫酸化されている程度が、ヘパラン硫酸鎖の役割に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究は、このHS6ST基質認識機構と反応機構をX線結晶構造解析による立体構造解析によって詳細に解明することを目指している。 ヒト由来HS6STについて、大腸菌での大量発現系を、4種類の発現ベクターを用いて、その発現効率を検討した。その結果、1L培養あたり0.5mg程度の精製蛋白質を得ることができる発現系および精製法を確立した。しかし、精製蛋白質の活性測定を行ったところ、低い活性しか観測されず、時間の経過とともに活性が低下すると考えられた。今後は、より高い活性を保持したサンプルを得るべく、サンプルをより安定な条件を検索していく予定である。 現在までに精製したサンプルを用いて、800条件ほどの結晶化スクリーニングを行ったが、現在までにX線回折実験に使用できる結晶はできていない。今後、発現方法、精製法、安定化法を含めて検討し、質の高い結晶を作成することを目指す予定である。
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