2002 Fiscal Year Annual Research Report
染色体相同組換えの制御機構に関わる蛋白質群の構造と機能
Project/Area Number |
14780500
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
美川 務 理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 研究員 (20321820)
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Keywords | 相同組換え / 二重鎖切断 / NMR |
Research Abstract |
DNA相同組換えとは互いに相同な配列を持つDNA鎖が組換わる反応であり,生命の進化,維持に直接関与する非常に重要な現象である.本研究課題では,そのDNA相同組換え反応を制御していると考えられる鍵蛋白質Mre11を中心にその立体構造解析を含めた生化学的解析を行っている.以下にこれまでの研究実績の概要を記述する. Mre11のドメイン解析:2種のプロテアーゼ(トリプシン,スブチリシン)を用いて,Mre11の限定分解を行った。蛋白質は各ドメイン間のループ領域等,外部にさらされている領域の方が切断されやすいため,この手法により構造的なドメインが決定できる。実験の結果,Mre11は構造的に3つのドメインから構成されていることが示唆された. C末端ドメインの大量調製と機能解析:上記限定分解により決定した各ドメインのうち,減数分裂に特に重要であると考えられるC末端ドメインを分子生物学的手法を用いて大量に調製した。単離精製に成功したC末端ドメインは単鎖DNA,二重鎖DNAに対して共に同様の結合活性を示した. C末端ドメインのNMR測定:^<15>N標識されたC末端ドメインを調製し,^<15>N^1H-HSQCスペクトルの測定を行った.今後,各アミノ酸残基(アミドプロトン由来)のピークの帰属を行う予定である。 関連蛋白質の調製:Mre11と相互作用されることが考えられる蛋白質のうち,Rec104蛋白質の発現系を構築し,その単離精製に成功した.今後,Mre11との相互作用を解析する予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Mikawa, T.Shibata: "Mechanism of filament formation on ssDNA by RecA protein"RIKEN Review. 46. 29-31 (2002)
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[Publications] M.Yoshimasu, M.Honda, T.Mikawa, T.Shibata, Y.Ito: "NMR approaches to investigate protein-protein and protein-nucleic acid complexes"RIKEN Review. 46. 32-35 (2002)