2002 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質内部に存在するすき間の進化的保存性と機能的役割
Project/Area Number |
14780508
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 健一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20322737)
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Keywords | タンパク質 / 構造機能相関 / すき間 / 進化的保存性 / タンパク質ファミリー / ダイナミクス / 構造変化 / 機能部位 |
Research Abstract |
タンパク質の示す機能はタンパク質がとる特異的な立体構造や運動性により担われているが、両者の関係はまだ不明な点が多い。本研究課題では、運動性に関係があると思われるタンパク質内部のすき間と、蛋白質の機能の間に強い結びつきがあるのかどうかを明らかとする目的で、多くのタンパク質ファミリーそれぞれについて、1)そもそも共通なすき間が有るか無いか、2)有る場合は共通なすき間と機能部位との位置関係に特徴がないか、3)タンパク質の種類によって違いがないか、を平成15年までの2年間の計画で解析中である。 平成14年度は主に、すき間の検出、すき間の位置の比較など、共通のすき間の有無を調べるための一連のプログラムを作成し、また、網羅的な解析を進めるための平行処理の実行環境の整備を行った。また予備的な解析を開始した。今のところ、解析した176のタンパク質ファミリーのうち、少なくとも7割弱のタンパク質ファミリー内に共通のすき間を発見した。さらに解析の進んだ数個の酵素ファミリーについては、共通のすき間のほとんどが触媒部位の近くに存在することを見出した。一方、共通のすき間が見つからなかったケースについても、中には、リガンド結合や生体高分子間相互作用等による構造変化により、すき間の位置が変化したものがあると考えられる。構造変化という点では、機能や相互作用との関係で重要であるので、今後その中身を解析していくことがひとつのポイントとして浮かび上がった。
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