2002 Fiscal Year Annual Research Report
Rhoファミリ-GTP結合蛋白質の活性変化を生細胞で可視化する
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14780522
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒川 量雄 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (40333504)
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Keywords | FRET / Rac1 / Cdc42 |
Research Abstract |
研究代表者は、現在までに蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の原理を利用し、緑色蛍光蛋白質変異体(YFP、CFP)、RhoファミリーGTP結合蛋白質(Rac1、Cdc42、RhoA)、及びその基質蛋白質からなるプローブ分子を作製した。これらのFRETプローブ分子は分子内RhoファミリーGTP結合蛋白質のGTP/GDP比に応じてFRET効率が変化する特性を持ち、活性状態をFRET効率でモニターすることができる。また、各FRETプローブ分子は、それぞれの活性化因子及び不活性化因子に対する特異性も維持しており、顕微鏡下で生きた細胞内の各RhoファミリーGTP結合蛋白質の活性を可視化することに利用できる。 細胞はアクチン細胞骨格系を制御して方向性を持った運動を行い、細胞の進行方向ではラメリポディア及びフィロポディアが形成される。また、増殖因子EGFは細胞のアクチン細胞骨格系の再編成を誘導し、形態変化を引き起こす。研究代表者らはRac1、Cdc42のFRETプローブ分子を用いて(1)細胞の運動、及び(2)EGF依存的な形態変化におけるRac1、Cdc42活性の局在を解析した。その結果、(1)細胞が運動する際にRac1、Cdc42が細胞進行方向で優位に活性化していることを明らかにした。さらにRac1とCdc42を比較したところ、細胞の進行方向の先端部ではCdc42がより活性化しており、Rac1はその後ろから活性化していることを明らかにした。(2)EGF刺激によって、Rac1はラメリポディアを形成する直前に細胞全体で均一に活性化し、その後、メンブレンラフリングが続いているにもかかわらず、活性が速やかに減少すること、及びCdc42は、Rac1と同様に速やかに活性化されるが、その活性はRac1と異なり細胞辺縁部のメンブレンラフリングの部位でより高いことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Itoh RE, Kurokawa K, Ohba Y, Yoshizaki H, Mochizuki N, Matsuda M.: "Activation of rac and cdc42 video imaged by fluorescent resonance energy transfer-based single-molecule probes in the membrane of living cells"Mol Cell Biol.. 22(18). 6582-6591 (2002)