2003 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母におけるテロメアーゼに依存しないテロメア維持機構の解析
Project/Area Number |
14780530
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Research Institution | Iwate College of Nursing |
Principal Investigator |
塚本 恭正 岩手看護短期大学, 看護学科, 講師 (80341725)
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Keywords | 染色体 / テロメア / DNA複製 / 細胞周期 / DNA修復 / 組換え / 減数分裂 / 核移行 |
Research Abstract |
染色体末端テロメアを維持する機構には、逆転写酵素テロメラーゼによるテロメア複製と組換によるテロメア配列の増幅がある。これらの二つの機構にMre11複合体は重要な働きをしてしている。この複合体は、他にもDNA修復や細胞周期制御、DNA複製減数分裂期組換えなど多機能を発揮している。私はMre11複合体の多機能性の制御にXrs2サブユニットが関与していることを遺伝的解析から明らかにした。Xrs2サブユニットはC末端近くに存在する32アミノ酸からなる領域でMre11触媒サブユニットと結合することを免役共沈法と酵母two-hybrid法により示した。またこのサブユニットの核移行シグナルによりXrs2サブユニットと結合したMre11を核に運ぶキャリアーとしての役割を見つけた。さらにDNA修復と細胞周期制御は、このMre11サブユニットの核移行のみで充分であることを明らかにした。つまり、Xrs2サブユニットを欠損した変異株はDNA傷害に感受性を示すが、Mre11サブユニットに別の蛋白質の核移行シグナルを付与することにより、この株がDNA傷害に対して耐性を示したことから証明された。また、テロメア複製と減数分裂期組換えには、Xrs2サブユニットの32アミノ酸に加え、その近傍にある104アミノ酸、49アミノ酸からなる領域がそれぞれ重要な働きをしていることが分かった。今後はこれらの領域がどのような仕組みでMre11複合体の多機能性を制御するのか、その機構を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)