2002 Fiscal Year Annual Research Report
dsRNAトランスジェニックマウスにおけるRNAi効果の検討
Project/Area Number |
14780557
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
原口 清輝 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10324576)
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Keywords | RNAi / トランスジェニックマウス / dsRNA |
Research Abstract |
個体レベルでのトランスジェニックRNAi(発現ベクター型)を行う目的で、(1)モニタリングが容易なgfp、(2)内在遺伝子であるoct3の2つについてプロモーターの検討と標的配列の検討を行い、以下の結果を得た(投稿中)。 (1)gfp-Tgマウス受精卵にベクターをインジェクションした後培養し、胚盤胞期胚における蛍光強度、タンパク量、mRNA量の変化を調べた。まず、EF1αプロモーター下流に任意の配列(40,100,300bp)をinverted repeatで繋いだ3種類のベクターを用いた。それぞれのベクター(10ng/μl)において効果が認められ、導入胚の約70%でgfp特異的な発現低下(30-90%)が確認された。次に、マウスU6プロモーター下流に任意の配列(20bp)をinverted repeatで繋いだ2種類のベクターを作成し同様に実験を行った。その結果、ベクター濃度依存的に発現低下が認められ、10ng/μlでは全導入胚において90%以上の発現が阻害された。 (2)U6プロモーター下流に任意の配列(20bp)をinverted repeatで繋いだ3種類のベクターを作成し同様に実験を行った。胚盤胞期胚におけるoct3発現の低下と同時に、その下流のfgf4発現も低下した。これら胚盤胞期胚をES細胞用培地に移し、4日間のout growth cultureを行った結果、発生停止(47%)、trophoblastからなる細胞集団(42%)が観察された。これらの結果は既に報告されているoct3^<-/->胚の表現型と一致するものである。標的配列のうち、2つは強力なRNAiが認められたが、残りの1つについてはその効果は低かったため、標的配列がRNAiに重要であることが示唆された。 以上の結果をふまえ、現在カセット化発現ベクターにより、MesP2とnanos2の個体レベルでのトランスジェニックRNAiを行っている。
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