2002 Fiscal Year Annual Research Report
損傷神経細胞におけるDINEのストレス応答機構の解析
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14780572
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
瀬尾 寿美子 (桐生 寿美子) 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70311529)
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Keywords | 神経損傷 / 神経再生 / プロテアーゼ / プロモーター / DINE / Akt |
Research Abstract |
神経損傷応答遺伝子として単離された膜一回貫通型メタロプロテアーゼDINEの機能解析を(1)DINEプロモーターを利用した神経損傷耐性マウスの作製、(2)DINE結合蛋白質の同定を中心に行った。 (1)様々な神経損傷に対するDINEの発現応答には、LIF/gp130/Stat3経路の活性化が関与する事が明らかになっている。しかしDINEプロモーターが実際に損傷応答性を有するかどうかはvivoを用いた解析が必要である。そこで約3KbDINEプロモーター下流にレポーター遺伝子としてLacZをつないだトランスジェニックマウスを作製した。神経損傷後このトランスジェニックマウスはLacZの発現誘導を示したことから、この領域は損傷応答性を有することが確認された。次にこのようなDINEプロモーターの特性を利用し神経損傷耐性マウスの作製を試みた。損傷耐性遺伝子として神経細胞の強力な生存因子であるAktを利用し、損傷神経細胞内で活性化型Aktが発現するようなマウスを作製した。このようなマウスを用いて脳虚血を行ったところ、野生型マウスに比較し脳虚血後の梗塞巣サイズが減少することが明らかになった。 (2)DINEが機能するためにはその細胞内局在と基質の同定が重要であると考え、それぞれの目的でDINE細胞内ドメインと活性部位付近をベイトとした酵母ツーハイブリッドを行った。細胞内ドメインに関しては数百個のクローンが得られ、そのうち翻訳領域を含む候補クローンは20個であった。候補クローンの中にはシグナル伝達のアダプター分子や細胞内トラフィッキングに関与する分子などが含まれており、これらが神経損傷後発現応答することも明らかになった。一方基質候補クローンに関しても数個得られた。このような結果から今後の新たな展開が期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kato R, Kiryu-Seo S, Kiyama H: "Damage Induced Neuronal Endopeptidase (DINE/ECEL1) expression is regulated by LIF and deprivation of NGF in rat sensory ganglia after nerve injury"J Neurosci. 22. 9410-9418 (2002)
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[Publications] Aoki S, Su QN, Hang L, Nishikawa K, Ayukawa K, Hara Y, Namikawa K, Kiryu-Seo S, Kiyama H, Wada K: "Identification of a novel axotomy-induced glycosylated protein, AIGP1,possible involved in cellular apoptosis triggered by ER-Golgi stress"J Neurosci. 22. 10751-10760 (2002)