2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780573
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
山本 直之 日本医科大学, 医学部, 講師 (80256974)
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Keywords | GnRH / 下垂体 / 前葉 / 神経支配 / 硬骨魚類 |
Research Abstract |
視索前野のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)細胞群が下垂体を支配することは既に申請者らの研究によって確立している。そこで、視索前野以外のGnRH細胞群である終神経および中脳の細胞群にトレーサーを注入して下垂体の支配をするかどうか調べた。本年度は現代的な硬骨魚類である棘鰭類に属するドワーフグーラミーを材料とし上記の研究を行った。 in vivoでは、特に中脳の細胞群への注入で、傷害が大きいため十分な生存期間を確保できなかった。このため、申請者らが開発した脳全体を摘出しin vitro条件下でトレーサーを注入する実験法(whole brain in vitro tract-tracing method)を行った。これまでのところ、トレーサー標識されたGnRH線維は下垂体に見いだされていない。これは、線維が少数であるため実験的な証明が困難であるためかもしれず、来年度はさらに例数を追加するとともに、古い時代に硬骨魚類系統の本幹から分かれたキンギョも材料に追加する予定である。キンギョでは中脳のGnRH細胞群が産生する分子種であるニワトリII型GnRHが、かなり豊富に下垂体に分布することを示唆する報告がある。このため調べる対象としてより有望であるといえる。なお、GnRH受容体の抗体は現在作成中である。受容体に対する優れた抗体は容易には得られないが、特異性の高いものが得られ次第、免疫組織化学的に受容体の分布を検索する予定である。
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