2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780599
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木本 哲也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60292843)
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Keywords | ニューロステロイド / チトクロムP450 / StAR / NMDA / カルシウム / ミトコンドリア |
Research Abstract |
本年度は、神経ステロイドの急速な合成制御機構を解明するために、まずラット小脳より調製した顆粒神経細胞の初代培養系において、全ての神経ステロイドの前駆体であるプレグネノロンの産生を検討した。その結果、確かに内在性コレステロールよりプレグネノロンが合成されることを確認した。更に、細胞外カルシウムの存在下においてNMDAで刺激することにより、顆粒神経細胞におけるプレグネノロンの産生が有意に高まることを観察した。次に、ステロイド合成の基質であるコレステロールのミトコンドリア内での輸送を担い、神経ステロイドの合成速度を調節すると考えられるステロイド合成急性調節蛋白質(StAR)の動態を検討した。ミトコンドリアにおける37-kDa及び30-kDaのStARの量の変化を、特異的抗体を用いたウエスタンブロット解析によって追跡したところ、NMDAによる刺激に対して、ミトコンドリア外膜における37-kDa StARが減少し、ミトコンドリア内膜における30-kDa StARが増加することが観察された。この変化は、プレグネノロンの産生とよい一致を示したことから、StARがコレステロールを急速にミトコンドリア内で輸送してミトコンドリア内膜のチトクロムP450sccにコレステロールを供給する過程が、神経ステロイドの急速な合成の速度を制御していることを示すものと思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shibuya K.: "Hippocampal cytochrome P45Os synthesize brain neurosteroids which are paracrine neuromodulators of synaptic signal transduction"Biochim Biophys Acta. 1619. 301-316 (2003)
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[Publications] Takahashi T.: "Corticosterone acutely prolonged N-methyl-D-aspartate receptor-mediated Ca^<2+> elevation in cultured rat hippocampal neurons"J Neurochem. 83. 1441-1451 (2002)
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[Publications] Kawato S.: "Histological and metabolism analysis of P450 expression in the brain"Methods Enzymol. 357. 241-249 (2002)
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[Publications] 川戸 佳: "ニューロステロイドと精神機能"Psychoses. 8. 15-16 (2003)
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[Publications] 川戸 佳: "記憶学習機能の動的解析手法と求められる技術:脳ニューロステロイドを中心に"バイオサイエンスとインダストリー. 60. 404-407 (2002)
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[Publications] 木本哲也: "蛍光色素を用いた細胞内シグナルのイメージング観察"日本比較内分泌学会ニュース. 104. 31-39 (2002)