2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ小脳プルキンエ細胞活動観察系の確立
Project/Area Number |
14780612
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々 貴之 理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, 研究員 (20342793)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 小脳 / プルキンエ細胞 / 顆粒細胞 / GFP |
Research Abstract |
今年度は、ゼブラフィッシュ小脳プルキンエ細胞、顆粒細胞特異的プロモーターの単離を目的とし、以下の実験を行った。哺乳動物でプルキンエ細胞、顆粒細胞特異的に発現する既知遺伝子のゼブラフィッシュ相同遺伝子を単離し、in situ hybridization法により発現パターンを検討した。プルキンエ細胞については、inositol 1,4,5-trisphosphate receptor type1 (IP3R1)およびglutamic acid decarboxylase 65,67(GAD65,67)が、顆粒細胞については、zic1およびzic2がそれぞれ細胞種特異的に発現していることを見出した。発現レベルが高いIP3R1、GAD67、zic1のPAC genomic cloneを単離し、転写活性化能を持つGAL4VP16遺伝子を相同組み換え法により5'UTR直下に組込んだ。これを、GAL4VP16の結合に応答してGFPを発現するUASgfp plasmid DNAと混合し、受精卵に顕微注入した。GFPの発現が確認された場合、胚をfounder候補として成魚に育て、UASgfp transgenic fishとの交配で得た胚におけるGFP発現の有無、あるいはGAL4VP16遺伝子に対するgenomic PCR法により選別した。 受精卵へのPAC DNA注入後の一過性発現観察により、IP3R1では異所的なGFP発現が観察され、GAD67ではGFP発現が全く見られなかった。一方、zic1では内在性遺伝子に近い発現パターンが得られた。3系統のzic1 founderを得た。これらの系統について、詳細な解析を今後行う。プルキンエ細胞については、他の遺伝子候補の検討を引き続き行う。
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