2002 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病モデルコンジェニックラットを用いた多因子疾患原因遺伝子の同定と解析
Project/Area Number |
14780626
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小瀬 博之 徳島大学, 医学部, 助手 (90314856)
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Keywords | 2型糖尿病 / 遺伝解析 / 疾患モデル動物 / コンジェニックラット / OLETFラット / 多因子疾患 |
Research Abstract |
本研究は疾患モデル動物を用いたアプローチで多因子疾患の原因遺伝子同定と、その作用機序の解明を目的としている。OLETFラットは2型糖尿病のモデルとして知られており、我々はQTL解析の結果同定された高血糖原因遺伝子座を個々に持つコンジェニックラットを作製し、解析を進めている。 初年度の今年、12系統すべてのコンジェニックラットの初期解析を終了し、論文に発表した。12系統の内、6系統に関して血糖値上昇を観察した。このことは先のQTL解析の結果を支持するものである。また、その他の5系統については通常飼料ではコントロールと差がなかったが、高脂肪食環境で血糖値の上昇を示した。これらは糖尿病誘発環境要因と単一の遺伝子座との相互作用を示しており、特定の環境要因がどのように個々の遺伝的変異に影響を及ぼすのか探るモデルになると期待している。 QTL解析である遺伝子座間でepistasisが示唆された。Nidd1/ofとNidd2/ofはその一つで、直接的に遺伝子座間相互作用を示すためにダブルコンジェニックラットを作製した。初期解析は進行中であるが、二つの遺伝子座が高血糖に与える影響はSynergesticであるとの結果が出ている。 Nidd2/of遺伝子座は高血糖だけでなく脂肪蓄積にも影響する遺伝子座であることから、遺伝子同定に向けてファインマッピングを行っている。F.O-Nidd2/ofコンジェニックラットのサブコンジェニックを確立中で、コンジェニック領域で組み換え体を複数同定している。15年度中にはサブコンジェニック系統作製を終了し、初期解析を始める予定である。
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Research Products
(1 results)