2003 Fiscal Year Annual Research Report
心ポンプ機能を有する3次元心筋細胞培養系の構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14780630
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
馮 忠剛 山形大学, 工学部, 助手 (10332545)
|
Keywords | 心筋細胞培養 / 3次元構築 / 応力バイオリアクタ / 力学特性 / コラーゲンゲル / 生体材料足場 |
Research Abstract |
本研究は研究実施計画の通り、今年度までに終わった。今年度の研究成果は以下のように要約される。 (1)応力バイオリアクタの改良:昨年度試作した応力バイオリアクタに更に電気刺激印加部を付加して、電気-応力-バイオリアクタを開発した。この装置によって、in vivo条件により近い培養環境が実現でき、胎児心筋細胞の拍動と外来印加応力との同期性の影響の検討や細胞の更なる分化成長などの研究が可能になるものと期待される。 (2)3次元構造体の基礎強度に及ぼす応力印加の影響の検討:培養細胞を埋め込んだコラーゲンゲルシートを応力印加条件下に培養すると、その力学特性が著しく強化されることがわかった。また心筋細胞を埋め込んだゲルシートは線維芽細胞を埋め込んだそれよりもゲルの收縮レベルと強度が大きかったことから、開発中の3次元構造体が人工心臓弁膜の素材として使用できるものと考えられた。 (3)3次元心筋細胞培養組織の拍動に及ぼす応力印加の影響の検討:昨年度コラーゲンゲルによる3次元構造の心筋細胞組織の構築方法を確立した。今年度これらの心筋組織を応力バイオリアクタ駆動下に培養して、培養組織の拍動に及ぼす応力印加の影響を調べた。その結果、応力印加した3次元構造の拍動時間がコントロール群より有意的に増加し、拍動力の増加傾向が示された。一方、3次元心筋細胞培養での、深部細胞まで栄養分などの灌流可能のため、灌流用微小管ネットワークの形成について多層構造法を提案し、予備的検討を行った。すなわちコラーゲンゲルシートの一面に心筋細胞を播種し、その反対面に内皮細胞と線維芽細胞を播種し、この様な細胞シートを幾つか重ねて3次元構造を構築したところ、より強い自発拍動が見られた。但し、微小管ネットワークの形成が有るか否かには更なる検討が必要であるとともに、3次元構造内の運搬流動の構築が不可欠であると考えられた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] ZG Feng, T Matsumoto, T Nakamura: "Measurements of the Mechanical Properties of Contracted Collagen Gels Populated With Rat Fibroblasts and Cardiomyocytes"J.of Artificial Organs. Vol.6. 192-196 (2003)
-
[Publications] ZG Feng, T Matsumoto, T Nakamura: "Electro-tensile-bioreactor for 3-dimensioanl culture of cardiomyocytes"生体医工学シンポジウム2003論文集. (CD Disk). (2003)
-
[Publications] ZG Feng, T Matsumoto, Y Nomura, T Nakamura: "3-Dimensioanl culture of cardiomyocytes in a new-developed electro-tensile-bioreactor"人工臓器(第41回日本人工臓器学会大会). 32. S71 (2003)
-
[Publications] 立石祐, 松本豊明, 馬上陽子, 松本貴之, 菊池幸絵, 馮忠剛, 中村孝夫: "異なる条件下における組織工学用支持体としてのコラーゲンゲルの機械的特性"第37回日本エム・イー学会東北支部大会論文集. 29 (2003)