2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14780649
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
原 万里子 成蹊大学, 工学部, 助手 (30311997)
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Keywords | NB1-RGB細胞 / IFN-β / ペプチド膜基板 / インテグリンレセプター / RGD配列 / 2次構造 / CDスペクトル |
Research Abstract |
B-型肝炎ウィルス、多発性硬化症等に対して有効と報告されているインターフェロン-β(IFN-β)に着目して、細胞接着活性部位のアミノ酸配列を含む様々なペプチド膜基板上にIFN-β産生細胞であるヒト新生児皮膚由来正常線維芽(NB1-RGB)細胞を培養した。細胞増殖性、形態変化、さらにはIFN-β生産性について比較検討した。 また、絹フィブロイン模倣ペプチド膜基板は、用いた溶媒の種類によって様々な2次構造を示すことが知られていることから、ペプチド膜の2次構造を円偏光二色性(CD)スペクトルを用いて測定し、これら膜の2次構造の相違がIFN-β生産性に与える影響を検討した。HFA溶媒で調製したペプチド膜基板上におけるNB1-RGB細胞のIFN-β生産性は、ペプチド中のArg-Gly-Asp(RGD)配列が末端から中心に配置されるに従い、増大する傾向が観察された。また、各基板により、ペプチドの2次構造に違いが有ることが観察された。さらに、ペプチド膜基板中のRGD配列と細胞接着に関与するインテグリンレセプターとの特異的結合によるIFN-β生産性を検討するために、抗インテグリンβ_1抗体を培地中に添加した際のNB1-RGB細胞によるIFN-β生産性について検討した。(AG)_<15>ペプチド膜基板並びに(AG)_6RGD(AG)_7ペプチド膜基板上におけるNB1-RGB細胞の細胞密度は、抗体添加の有無に関わらず同様であった。一方、IFN-β生産性について検討したところ、培地中に抗インテグリンβ_1抗体を添加したことにより、(AG)_6RGD(AG)_7ペプチド膜基板上でのIFN-β生産性が抑制されていた。これによりRGD配列が細胞のインテグリンレセプターを介してIFN-β生産性に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Hara, S.Adachi, A.Higuchi: "Enhanced production of carcinoembryonic antigen by CW-2 cells cells cultured on polymeric membranes immobilized with extracellular matrix Proteins"Journal of Biomaterials Science, Polymer Edition. (2003)
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[Publications] M.Hara, Y.Takanashi, N.Tuzuki, H.Kawakami, K.Toma, A.Higuchi: "Production of intefferon-β by NB1-RGB cells cultured on peptide-lipid membranes"Cytotechnology. (2003)