2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気的外部刺激によるラット心筋細胞の収縮リズムの制御に関する研究
Project/Area Number |
14780662
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
相原 良一 独立行政法人理化学研究所, 局所時空間機能研究チーム, フロンティア研究員 (20344020)
|
Keywords | 自己組織化 / 電気刺激 / 非平衡開放系 / 生体リズム制御 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究では生体内に存在する非線形性を利用して、生体外部からの電気的な入力による生体リズムの制御をおこない、生物の材料としての機能性を増幅させることを目的とし、細胞工学および再生医療への応用を目指したものである。ラット胎児から取り出した心筋細胞に酵素処理を施して解離させ、不純物を取り除いた後にフィブロネクチンでコーティングした透明電極上に展開させたものをサンプルとして用いた。およそ48時間後から心筋細胞の自発的な収縮を顕微鏡下で確認した。時間の経過とともに自己集合的にほぼ単層状に電極上を伸展していく。このサンプルに対して、刺激強度、周波数などの外部パラメータに依存して収縮リズムの多用な応答が得られ、リズム制御が可能となるということを昨年度において見いだした。本年度はこれらの知見をもとに、系からの随意的な応答として心筋細胞内のカルシウム振動に着目し、蛍光観察によってその挙動をCCDカメラによって画像データとして取り込み、得られた画像データから蛍光強度による時系列データの構成をおこなった。これをもとに統計的解析を行い、系の状態を統計的性質を通して同定を試みた。これをもとに機能性およびエネルギー変換の効率の指標とについて検討をおこなった。これに伴って、これら一連の処理、つまりデータの取り込み、解析を瞬時におこない上述した電気的外部刺激の入力信号とするリアルタイム制御を可能とするハードウェアの構築をおこなった。
|