2002 Fiscal Year Annual Research Report
感温性生体高分子によるハイブリッド組織体の作成およびその医用材料への応用
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14780665
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
大屋 章二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (80311447)
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Keywords | ゼラチン / 感温性 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 細胞外マトリックス / 組織工学 / ゲル / 細胞包埋 / ハイブリッド組織体 |
Research Abstract |
本研究では、生体高分子に感温性の合成高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)を導入した感温性生体高分子を合成し、その組織工学用マトリックス材料および医用材料への応用することを目的とした。本年度は感温性ゼラチンの合成とそのマトリックス材料としての機能性の評価を行った。 まず、PNIPAM鎖長、導入量の異なる9種のPNIPAM化ゼラチンを合成した。ゼラチンに重合開始剤として作用するジチオカルバミル基を導入し、ジチオカルバミル化ゼラチンを合成した。続いてNIPAMのグラフト重合により、PNIPAM化ゼラチンを合成した。牛大動脈由来血管平滑筋細胞を懸濁させたPNIPAM化ゼラチンの水溶液(濃度:20%)を37℃に加温すると、PNIPAM/ゼラチン重量比(P/G比)の最も低いゲル(P/G=1.4)を除き、溶液全体が体積変化を伴わずに硬化し、細胞を含むゲルを形成した。P/G比10以上のゲル内部の細胞は伸展、増殖し、培養14日後には内部にコラーゲンの産生を認めた。P/G比の高いPNIPAM化ゼラチンゲルはマトリックスとして機能できたと言える。 ラット繊維芽細胞を懸濁させたPNIPAM化ゼラチン(P/G=19、濃度5%)の培養液をラット皮下組織に注入すると、体温により速やかにゲル形成し、細胞を包埋できた。ゲルは皮下組織にて14日間、形状を保持し、内部の細胞は伸展・増殖し、コラーゲンを産生した。このゲルはin vivoにおいてマトリックスとして機能できたと言える。PNIPAM化ゼラチンの使用により、種々のハイブリッド組織体構築が期待できる。 次年度では、PNIPAM化ゼラチンゲルの生体との相互作用を詳細に検討し、種々のハイブリッド組織体の構築を検討するとともに、PNIPAM化ゼラチンゲルの微細な表面構造・物性を原子間力顕微鏡により調べ、マトリックス機能との相関を調べる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T Kawada, Y Nakayama, C Zheng, S Ohya, K Okuda, K Sunagawa: "A novel photocurable insulator material for autonomic nerve activity recording"Biomaterials. 23・15. 3169-3174 (2002)
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[Publications] T Magoshi, H Ziani-Cherif, S Ohya, Y Nakayama, T Matsuda: "Thermoresponsive heparin coating : heparin conjugated with poly(N-isopropylacrylamide) at one terminus"Langumuir. 18・12. 4862-4872 (2002)
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[Publications] S Ohya, Y Nakayama, T Matsuda: "Matrix design in tissue engineering : In vitro and in vivo evaluation of thermoresponsive gelatin for cell scaffold"International Journal of Artificial Organs. 25・7. 685 (2002)