2014 Fiscal Year Annual Research Report
非接触原子間力顕微鏡によるカーボン材料の個々のドーパントの化学識別
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14F03355
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 宜昭 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00432518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANDA Kalpataru 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイヤモンドは、優れた性質を多く有する次世代材料である。粒径が10nm以下のダイヤモンド結晶の集合体である超ナノ微結晶ダイヤモンド(UNCD)は、電界による電子放出特性が優れ、安定な低電圧駆動電子エミッターとして期待されている。このUNCDに窒素原子やプラチナ原子をドープすると、電子放出特性が飛躍的に向上することが知られているが、そのメカニズムが未解明であった。代表者は非接触原子間力顕微鏡(NCAFM)を用いた単一原子レベルの分析手法の研究を進めてきた。現在では走査型トンネル顕微鏡(STM)と相補的な原子レベルの計測装置として確立しつつある。当該年度は、インドのCVDで作製したUNCDを大阪大学のNCAFM装置へ入れ、観察と分析を行った。その結果、ダイヤモンドのクラスターと粒界をはっきりと区別した高分解能画像が得られた。これにより、CVDで作製した試料を、大気にさらし、超高真空中で再度加熱することで、分析が可能であることが実証された。続いて、同じ試料をSTMによって、導電性の評価を行った。NCAFMと同視野で分解能の高い、電流マップ像を得ることができた。解釈については現在検討中であるが、電子放出サイトを同定する重要な結果が得られた。さらに、ケルビンプローブフォース顕微鏡法によって、試料の局所的な仕事関数を評価した。電子放出と密接に関わる仕事関数を高分解能で得ることができたので、電流マップと合わせて解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低電圧駆動電子エミッターとして期待されている超ナノ微結晶ダイヤモンドを、非接触原子間力顕微鏡で、高分解能で観察しただけではなく、同視野で電流マップ、仕事関数マップを取得することに初めて成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、イオンドープされた超ナノ微結晶ダイヤモンドの研究を行うと共に、グラフェンの研究を進める。
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Research Products
(14 results)